ネット銀行は利便性の高さがメリットですが、預金の安全性は気になってしまいますよね。もし安全性を重視してネット銀行を使いたい場合は、まずはPayPay銀行を検討してみましょう。
PayPay銀行はネット銀行の老舗とも言えるサービスであり、口座取引が使いやすくなるようなシステムをたくさん導入しています。名前の通りPayPayを利用すれば更に便利な銀行なので、PayPayと合わせて利用することもおススメですよ。
今回は、PayPay銀行について考察していきましょう。
目次
サービス概要
PayPay銀行とは、Zホールディングス傘下のPayPay銀行株式会社が提供するネット銀行のことです。元々ジャパンネット銀行という名称で運営されていたネット銀行の老舗で、独自の店舗を持たずネットバンキングから取引を行います。
口座開設を行う場合は、日本在住且つ15歳以上の方であれば誰でも可能となっています。開設時の本人確認は公式アプリから行うことも可能であり、その場合はキャッシュカードが簡易書留で送られるので受取りが簡単です。
デビットカードを利用する場合は、
PayPay IDとの連携も済ませておきましょう。
まずは、PayPay銀行の基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス内容 | 摘要 | |
---|---|---|
提供会社 | PayPay銀行 | |
ATM入出金手数料 | 無料 | 1回3万円以上 |
毎月最初の入出金 | ||
150円+税 | 預金平均3,000万円以上で無料 | |
300円+税 | ゆうちょ銀行ATMの場合 | |
振込手数料 | 無料 | PayPay銀行口座間 |
三井住友銀行本人名義口座宛 | ||
132円+税 | 無料回数サービス有 | |
定額自動入金 | 5件まで | 5日又は27日の引落しで4営業日後の入金 |
Pay-easy | 対応 | |
普通預金金利 | 年0.03% | 月毎に算定 |
最大+0.3%の特典あり | ||
定期預金金利 | 年0.05%~0.3% | |
補償 | 不正利用補償 | 発生から30日以内の申請 |
PayPay銀行では無料振込をするのが難しいですが、三井住友銀行の自己名義口座宛であれば振込手数料が無料となっています。こちらは振込予約や自動振込も対象となっている様子なので、資金移動等が必要であれば有効活用しましょう。
口座で特定の利用条件を満たしている場合、
振込手数料無料回数が付与されることもありますよ。
ATMによる入出金では手数料無料サービスが用意されていますが、こちらは入金と出金を合わせて1回とカウントされます。無料回数は3万円以上の入出金を行った場合にも消費されるため、カウントを間違えないように注意しましょう。
提携ATM
PayPay銀行は店舗展開を行っていないネット銀行なので、入金には他行の提携ATMを利用します。それでは、PayPay銀行が提携しているATMを確認してみましょう。
PayPay銀行提携ATM
- 三井住友銀行ATM
- ゆうちょ銀行ATM
- イオン銀行ATM
- セブン銀行ATM
- ローソン銀行ATM
- イーネット
これらの提携ATMの中で、三井住友銀行ATMでのみ硬貨の取扱いが可能です。ネット銀行では硬貨が扱えないことも多々あるので、地味ながら重要なサービスの1つと言えますね。
各ATMを利用する際の細かいルールは、
事前に確認するようにしてくださいね。
また、セブン銀行ATM又はローソン銀行ATMの場合は「カードレスATM」にも対応しており、キャッシュカードが手元に無くてもスマホだけで入出金が可能となります。こちらはPayPay銀行アプリ又は連携したPayPayアプリからも利用可能で、手数料等の提供条件もキャッシュカードと同様なので気軽に使ってみましょう。
定額自動入金サービス
PayPay銀行では定額自動入金サービスが利用可能であり、他行の自己名義口座から自動で資金を引き入れることが出来ます。サービスを利用する上で手数料等は一切発生しないので、手軽な資金移動手段として活用出来ますよ。
定額自動入金は1万円以上1,000円単位で5件まで申請可能で、資金の引落し日として毎月5日又は27日のいずれかを指定します。指定口座からは引落し日(休日の場合は翌営業日)に設定金額が引かれ、PayPay銀行口座には4営業日後に入金されます。
引落しや入金は毎月同じ日に行われるわけではないので、
ある程度余裕のある引落し日を指定しましょう。
定額自動入金で指定可能な金融機関はネット銀行を含めて数多く対応していますが、一部の金融機関ではネットバンキングの契約等利用条件が設定されています。また、定額自動入金の新規申込・変更・解約は7営業日後から有効となるので覚えておきましょう。
トークン
PayPay銀行ではネットバンキングの認証にトークンを使い、都度のワンタイムパスワードを用いて取引を行います。トークンによるワンタイムパスワードはその性質から流出することがまず無いので、口座が不正利用されにくくなる効果を持っていますね。
送金やデビットカード設定等、
重要な設定には全てトークンによる認証が行われます。
トークンは口座開設時にカード型のものが送付される他、ワンタイムパスワードを生成するための公式トークンアプリが提供されています。もしトークンの管理が難しい場合は、公式アプリを使うこともご検討ください。
ちなみに、トークンはデビットカードの3Dセキュア認証にも用いられています。登録したパスワードで認証する方式よりもセキュリティが強いため、こちらもサービスの強みとなっていますね。
公式アプリ
PayPay銀行では公式アプリが用意されており、残高や利用履歴等を簡単に確認することが可能です。更には振込やキャッシング等の操作も可能なので、必要な方は利用してみましょう。
PayPay銀行アプリではパターン認証が行われ、事前に登録した点のなぞり方によってログインします。アプリで生体認証を利用すれば、パターン認証をパスすることも可能ですよ。
アプリでは「カードレスATM」という機能もあり、
キャッシュカード無しでATMの手続きが可能です。
カードレスATM機能はセブン銀行ATMやローソン銀行ATMが対象で、スマホアプリを使った入出金等が可能です。基本的な提供条件はキャッシュカードと変わらないので、口座を利用する上で何かと重宝するサービスですね。
ちなみに、PayPay銀行の残高確認や利用明細はLINEのトークから確認することも出来ます。LINE上のアカウント「PayPay銀行サポート」を友達登録すると、アシスタントキャラクターの「モネ」が教えてくれますよ。
ナンバーズくじの数字をモネに選んでもらうことも出来るので、
お好きな方は試してみてくださいね。
利用状況に応じた特典
PayPay銀行のサービスは控えめな部分も多いですが、特定の利用条件を満たすことでサービスが強化されます。誰でも条件を満たすことが出来るわけではありませんが、達成出来ればお得に口座が使えますよ。
月間の平均円預金残高が3,000万円以上であった場合、翌月には月間5回分の振込手数料無料回数が付与されます。同様に翌月にATMで入出金を行う際、ゆうちょ銀行で3万円未満を取扱う場合を除き手数料が無料化しますよ。
また、PayPay銀行で給与の受取りを行った場合、月間3回までの振込手数料無料回数が付与されます。こちらは前月16日から当月15日までの受取りで翌月から適用されるので、活用する場合は付与されるタイミングを覚えておきましょう。
この特典は判定がかなり甘いことで知られており、
振込明細を「キュウヨ」等にするだけで適用されるらしいです。
また、PayPay銀行では指定の条件を1つ満たす毎に、翌月の普通預金金利が年0.1%分ずつ上昇する(最大+0.3%)特典も用意されています。特典が適用される上限は50万円までとなっていますが、達成出来るものがあればこちらも狙ってみましょう。
普通預金金利が上昇する条件
- 口座で給与を受け取る
- PayPayカードの料金引落しが発生する
- 月末時点で米ドルを300ドル保持する
PayPay
PayPayとは、同グループ傘下のPayPay株式会社が提供する決済サービスのことです。主にスマホを利用したコード決済や、アカウントを利用したネット上での決済に使えますね。
PayPay銀行はPayPayと強く連携しており、PayPay残高をPayPay銀行へ出金する際は即時且つ手数料無料で行うことが可能となっています。お買い物の際は余った金額を容易に出金出来るので、残高の余りを気にする必要が無くなりますね。
PayPay銀行口座を開設する際は、
PayPayでの活用を目的としても良いですね。
デビットカード
PayPay銀行のキャッシュカードには、VISAブランドのデビットカード機能が付帯されています。こちらは預金残高を直接利用した即払い方式の決済サービスであり、VISAによるカード決済や非接触決済が可能です。
PayPay銀行VISAデビットカードは還元率こそ低めながら、セキュリティが重視されているため使いやすいサービスです。キャッシュレス決済に安心感を求めている方であれば、こちらのカードは何かと重宝しますよ。
国内ATMでキャッシュカード機能を利用する場合、
ATMの種類に関わらずICチップの付いていない方(右側)から挿入します。
PayPay銀行VISAデビットカードについてはこちらでも取扱っているので、よろしければ併せてお読みください。
セキュリティ
PayPay銀行では様々なセキュリティ対策をとっており、口座を安全に利用するためのシステムが整っています。より安全に取引を行いたい場合、非常に安心して使える口座ですね。
PayPay銀行口座では送金や出金に対しての上限設定が可能なので、予め設定しておけばいざという時も安心出来ます。出金を利用しないときは上限を0円に設定しておくことも可能で、もし利用したくなった場合でもその時だけ設定を緩めれば良いので簡単ですね。
これに加えてネットバンキングの取引にはトークンを利用するので、
例えログインパスワードが流出しても不正利用は発生しにくいですね。
もし口座の不正利用が発生した場合でも、その被害は普通預金口座不正使用補償規定又はキャッシュカード盗難補償規定によって補償されます。必要な方は管轄の警察組織に被害届を提出した上で、30日以内に所定の申請を行いましょう。
PayPay銀行の使い方
PayPay銀行を最大限に活用したい場合、まずはよりお得に口座を開設する方法を考えましょう。PayPayのキャンペーンや各種ポイントサイトの活用は有効ですが、その中でも特におススメなのがアメフリというポイントサイトです。
アメフリ経由でPayPay銀行口座を開設した場合、以降アメフリから当該口座に向けて出金申請をした際に50円が上乗せされます。アメフリでは銀行振込の最低交換額が400円分からなので、最大12.5%が増額されることになりお得ですね。
口座開設自体の還元ポイントについても、
アメフリは他サイトと比較して高めに設定されていますね。
PayPay銀行は非常にセキュリティが高く、安全性を重視するのであれば重宝するネット銀行です。ただし、振込手数料無料サービスを適用するためには一定の条件を満たす必要があるので、積極的に口座を活用するにはある程度の工夫が必要となります。
振込手数料無料の範囲外で送金を行う場合は、PayPayやPring等無料出金可能なウォレットサービスを利用することも1つの手です。ウォレットサービスの中には無料又は低手数料で送金可能なものも多く、ネット銀行と併用すると中々便利ですよ。
PayPayでPayPay銀行口座を利用した場合、アプリの残高(PayPayマネー)は即時且つ無料で出金することが可能です。また、PayPayは入金であればどの銀行口座からでも手数料が無料なので、PayPayを経由することで資金移動も簡単に行うことが可能となります。
実質的にPayPay銀行で使えるATMの数が増えることにもなるので、
口座を活用する上での重要なテクニックとも言えますね。
PayPay銀行の注意点
PayPay銀行にはATM入出金や口座振込の手数料無料サービスが用意されていますが、他の銀行と比較すると少々サービスが控えめになっています。現在では給与の受取りがあれば振込手数料が月間3回無料になりますが、もう少し他の適用条件も用意して欲しいですね。
無料サービスの範囲外で送金したい場合であれば、
三井住友銀行経由でことらを利用すると便利ですよ。
ちなみに、PayPay銀行では前月の預金残高が3,000万円以上であった場合は、振込手数料が月間5回まで無料となる優遇が適用されます。一般の方にはあまり手が出せないサービスですが、大金をお持ちの方はご検討ください。
これからのPayPay銀行に期待すること
PayPay銀行はセキュリティの面で非常に優れていますが、手数料無料サービスの少なさが気になるネット銀行です。振込手数料無料のために給与の受取口座を変更するのも億劫なので、無理なく利用可能な無料サービスを提供して欲しいですよね。
また、同じくZホールディングス傘下となったLINEとの連携を深めて、LINE Payでの入出金を自由に出来るようにもして欲しいです。現在のLINE Payでは残高を利用した支払いがあまりお得ではありませんが、残高自体は投資サービス等でまだ利用する方は多いですからね。
まとめ
PayPay銀行はセキュリティシステムの信頼性が高く、より安全に使えるネット銀行ですね。大量の預金を行いたい方にとっては、便利なサービスと言えるかもしれません。
その反面、手数料無料サービス等の仕様が理由で預金を活用するためのハードルが高めになっています。預金残高の利用はPayPayやデビットカードが中心となるので、それらのサービスも併せて活用してくださいね。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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