インターネットが発達した現代社会では、金融機関でも店舗を持たないネット銀行が多く登場しています。金利や各種手数料が優れていることが特徴的ですが、その他にも様々なお得なサービスが魅力の口座ですね。
ネット銀行のサービスは多種多様ですが、その中でもかなり特徴的なサービスを持っているのがみんなの銀行です。お得なキャンペーンやプログラムも多い銀行なので、様々な方にとって有効に使える銀行となるはずです。
今回は、みんなの銀行について考察して行きましょう。
目次
概要
みんなの銀行とは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の株式会社みんなの銀行が提供するネット銀行のことです。独自の店舗や窓口を持たないネット上の銀行であり、取引を行う際には専用のスマホアプリを用います。
こちらの口座を開設したい場合、日本在住且つ日本国籍を持つ満15歳以上の個人であれば申込可能です。本人確認後は口座支店の選択やキャンペーンコードの入力等も可能なので、そちらについても予め確認しておきましょう。
銀行側での本人確認が完了する前にアプリを閉じたとしても、
再び「新規口座開設」を選択すれば進捗状況の確認が可能ですよ。
まずは、みんなの銀行の基本的なサービス概要を見て行きましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
金融機関コード | 0043 | |
ATM入金手数料 | 無料 | |
ATM出金手数料 | 100円+税 | 無料回数サービスあり |
振込手数料 | 無料 | 同行宛 |
182円+税 | 無料回数サービスあり | |
ことら送金 | 対応 | |
定額自動入金 | – | |
Pay-easy | – | |
普通預金金利 | 0.1% | |
0.2% | 貯蓄預金 | |
定期預金 | – | 取扱い無し |
みんなの銀行では「U25 Z割」が提供されており、25歳までの方が口座を利用する場合はサービスが一部優遇されます。ATM出金手数料と他行振込手数料の無料回数がそれぞれ3回分追加されるので、該当の方はこちらのサービスも有効活用しましょう。
みんなの銀行ではキャッシュカードが発行されていませんが、
セブン銀行ATMであれば「スマホATM」が利用可能です。
ちなみに、ふくおかフィナンシャルグループの銀行ということもあり、福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行からはネットバンキングでの振込手数料が無料となるようです。逆にみんなの銀行から上記の銀行口座へ振込みする場合は手数料が発生しますが、それらは全てことら送金に対応しているので少額であれば大丈夫ですね。
パートナー支店について
みんなの銀行は所謂BaaSとして「パートナー支店」を実施しており、これは提携他社を事業委託者とした特殊な口座支店を提供するものです。パートナー支店は初回ログインの際に選択可能となっていますが、基本的には通常支店とのサービス内容の違いがあまり無いようです。
ただし、一部のパートナー支店では各提携企業に関連したキャンペーンが開催されたり、後述の「サークル」で特典内容が一部変化することがあります。もしそれらのサービスに興味のある方であれば、気になる提携企業のパートナー支店を選択するようにしましょう。
パートナー支店はNEOBANK等他社のBaaSと異なり、
通常支店を含め1人で複数の口座を開設することが出来ません。
みんなの銀行では口座開設に関するキャンペーンが実施されることがあり、場合によってはパートナー支店の口座で通常よりお得に開設出来ます。もしこれから新しく口座を開設したい場合、キャンペーンについても一度チェックしてみましょう。
サークル
みんなの銀行では「サークル」という機能が提供されており、ユーザーに向けて提携企業のサービスがいくつか紹介されています。こちらを経由してサービスを利用開始するとキャッシュバックや試用期間等の特典が付与されるので、利用してみたいサービスがあればこちらを活用してみましょう。
感覚としてはポイントサイトに近いサービスのようなので、
利用方法もそちらの例に倣っておきましょう。
口座をパートナー支店で開設していた場合、支店の提携企業毎に異なる広告が追加で提示されることがあるようです。そのような特典を活用したい場合であれば、開設時点でパートナー支店をしっかりと選ぶようにしましょう。
貯蓄預金
みんなの銀行では定期預金の提供がありませんが、その代わりに「貯蓄預金」というサービスが提供されています。これは開設した口座の中に20個まで子口座を作成し、普通預金から独立した残高として保管出来る機能です。
「Banking」タブで振替元口座を長押しすると丸いアイコンが表示され、
それを振替先口座へドロップすると残高の振替が行えますよ。
口座を開設した時点では「Saving」という名前の貯蓄預金口座が作成されており、それに追加して「BOX」という口座を作成可能です。BOXは自由に名前を付けることが出来るので、目的別に残高を管理したい場合に便利ですね。
貯蓄預金は普通預金よりも金利が優れており、通常でも年利0.2%が適用されています。貯蓄口座はいつ振替を行ってもペナルティ等が無いので、定期預金よりも利用しやすいかもしれませんね。
また、貯蓄預金は自動振替の設定も可能なので、目標に向けて定期的な積立を行いたい場合にも便利ですね。また、皆の銀行から定期的な支払いの予定があれば、その日に間に合うよう普通預金へ自動で振替する使い方も便利そうです。
振込入金プログラム
みんなの銀行には常設の施策として「振込入金プログラム」があり、他の金融機関から振込がある度に10円(月間10回まで)がプレゼントされます。参加にあたってのエントリー等は不要で、1回1,000円以上が通常の振込によって入金された場合が対象です。
他行のサービスと比較して金額自体は控えめですが、
少なめの振込金額でも適用されるところが優れていますね。
自己名義の他行口座から振込しても適用されますが、ことら送金等は何度行ってもカウントされないので忘れないでくださいね。また、プレゼントの現金は取引の翌月下旬から月末頃までに付与されるようです。
バーチャルデビットカード
みんなの銀行ではキャッシュカード等がありませんが、アプリ上ではJCBブランドのバーチャルデビットカードが発行されています。利用にあたって発行手数料や年会費等は発生せず、通常0.2%のキャッシュバックもあるようです。
普通に使うと還元率が物足りませんが、
キャンペーン等があれば活用してみましょう。
カードはネット加盟店での支払いに使える他、Apple PayやGoogle Payに登録すればQUIC Pay+での実店舗決済が可能となります。また、Apple Payで利用する場合はJCBコンタクトレス(NFC Pay)の加盟店でも利用可能です。
ただし、ガソリンスタンド・高速道路・機内販売の他、デビットカードを拒否している加盟店では利用出来ません。定期契約についても基本的に利用出来ない様子ですが、一部の公共料金や携帯料金の支払いには対応しているようです。
有料サービス「プレミアムサービス」
みんなの銀行では有料サービスとして「プレミアムサービス」が用意されており、月額600円で口座の一部提供条件が優遇されます。お得さに関連した優遇サービスも存在するので、月額分を上回って活用出来る方はチェックしてみましょう。
プレミアム会員の優遇サービス
他行宛振込やATM出金の手数料無料回数については、U25 Z割のサービスと重複して適用されます。もし25歳までの方がプレミアムサービスへ入会した場合、月間の手数料無料回数はそれぞれ13回分となるようです。
高額な余剰資金を常に貯蓄預金へ預けることが出来る方であれば、
それだけでプレミアムサービスを利用する価値はありそうですね。
CoverはデビットカードやATM出金を行う際、普通預金残高が不足していた場合に自動で適用されます。申込は20歳以上の方に限定されており、立替サービスということで当然ながら収入に関する一定の審査が行われるようです。
セキュリティ
みんなの銀行のセキュリティについてはこちらのページでまとめられているので、気になる方は一度確認してみましょう。口座は24時間体制で不正の監視と対策が採られていることを始め、顧客情報を保護するための様々な取り組みが行われている様子ですね。
また、みんなの銀行はスマホアプリでの取引が必須となり、機種変更時にもSMSによる二段階認証が行われます。ネットバンキングが提供されている金融機関の中で比較すると、攻撃者にとっては不正利用しにくいはずです。
アプリのログインには生体認証も利用可能なので、
セキュリティと利便性の両立が出来ますね。
もし端末の紛失・盗難によって不正な払戻しが行われた場合、その被害はスマートフォンによるATMサービスに関する特約第7条によって補償されます。必要であれば管轄の警察組織に被害届を提出した上で、被害から30日以内に所定の申請を行いましょう。
みんなの銀行の活用法
現在のみんなの銀行では振込入金プログラムが適用されているので、口座を活用したい場合はこちらについてチェックしてみましょう。例えば住信SBIネット銀行のNEOBANK口座を複数開設している方であれば、振込手数料無料サービスを使うことでちょっとしたお小遣い稼ぎにもなるはずですよ。
また、みんなの銀行は貯蓄預金の金利が優れているので、そちらで余剰資金を普通に保管しているだけでも有効活用出来そうですね。振込入金プログラム狙いで他行から振込入金を行った際も、その金額は忘れずに貯蓄預金へ移しておきましょう。
定期預金とは異なりいつでも引き出すことが出来ますが、
その一方で利子所得課税を回避する裏技は使えないので一長一短ですね。
他行への送金や自己名義口座への資金移動をしたい場合、1回10万円までに限定されますが「ことら送金」も活用しましょう。ことら送金はメガバンクや地方銀行等の他にSBI新生銀行や住信SBIネット銀行も対応しているので、そちらへ1度送金した後で振込手数料無料回数を使う手段も有効ですね。
プレミアムサービスの特典は魅力的ですが、負担がかなり大きいので無理に契約する必要はありません。こちらは金利をフル活用出来る程に余剰資金が豊富な方や、デビットカード等のサービスを更に活用したい方であれば視野に入れても良いかもしれませんね。
みんなの銀行の注意点
みんなの銀行は特徴的且つお得に使えるサービスが提供されていますが、特定の状況でなければ各種手数料の無料化が出来ません。振込手数料についてはことら送金で無料化出来るのでともかくとして、ATM出金に関してはどうしても考えてしまいますね。
もし26歳以上且つプレミアム会員でない方であれば、みんなの銀行口座を開設する場合は別の銀行口座と併用することをおススメします。ATMを利用したい場合は一度他の口座へことら送金を行い、そちらで無料になる範囲での出金を行うと良いでしょうね。
ことら送金の上限は1回10万円までとなっているので、
手数料が気になる場合は残高を増やし過ぎないことも選択肢に入ります。
まとめ
みんなの銀行は金利が優れている他にも、振込入金プログラムによってお得に使うことも出来る銀行ですね。その一方で各種手数料の無料回数には特殊な条件が設定されているので、活用する場合は他の金融機関と組み合わせると良いかもしれません。
ちなみに、みんなの銀行は今後ウォレットサービスのRevolutと連携することが予定されています。口座と直結して手数料無料でのチャージが可能となる他、外貨に関連した提携サービスの開始も目指しているそうなので期待して待ちましょうね。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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