スマートフォンが普及した現代社会では、コード決済という新しい方式が登場しています。コードを画面上に表示するかカメラ機能で撮影するだけで利用可能なので、環境への依存度が少なく導入しやすいことがメリットですね。
国内では携帯キャリア企業を中心に様々なコード決済サービスが提供されており、NTTドコモからはd払いが提供されています。何かとお得に使えることも多いサービスなので、生活の中で積極的に活用して行きたいですよね。
今回は、d払いのコード決済について考察していきましょう。
目次
サービス概要
d払いとは、NTTドコモが提供する決済サービスのことです。主にアプリを利用したコード決済や、アカウント情報を利用したネット上での決済が提供されていますね。
d払いはdアカウントに登録すれば誰でも利用可能ですが、コード決済を利用する場合はアプリでの初期設定が必要です。また、未成年者の場合は一部サービスに制限がかかっています。
銀行口座チャージや送金・出金を利用する場合、
別途本人確認も必要となります。
まずは、d払いの基本的なサービス概要を見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
提供会社 | NTTドコモ | |
決済方法 | コード決済 | スマホアプリ |
アカウント決済 | ||
電子マネーiD | d払いタッチ | |
VISA | バーチャルプリペイド | |
引落し先 | dポイント | 他の引落し先と併用可能 |
ポイント還元対象外 | ||
携帯料金合算 | ||
d払い残高 | 銀行口座 | |
セブン銀行ATM | ||
ブランドカード | ポイント還元はdカードのみ | |
還元率 | 200円につき1ポイント | |
還元対象 | dポイント | |
ブランドカード 決済上限(dカード以外) | 月間5万円 | 本人確認未済 |
月間50万円 | 本人確認済 | |
セキュリティ | 決済上限設定 | 電話料金合算のみ可能 |
端末ロック設定 | コード決済 | |
補償 | 不正利用補償 | 発生から90日以内且つ 発覚から30日以内に申請 |
d払いのキャンペーンに参加したい場合は、dカード・電話料金合算・d払い残高のいずれかを利用しましょう。ただし、電話料金合算にはユーザー毎の月間利用上限があり、更に未成年者の場合は月間1万円が上限となるので注意してくださいね。
dカード以外のブランドカードを利用すると、
大抵のキャンペーンには参加出来ません。
カードによる支払いについて
d払いのブランドカード情報は、dアカウントに登録済みの支払い情報と共通です。カードを支払いに利用する際は個別に3Dセキュア認証が必要となるので、自宅等で予め設定を済ませておくようにしましょう。
d払いに対応している国際ブランドは、VISA・Mastercard・JCB・American Expressの4種類です。コード決済ではJCBブランドに対応していないことも多いので、JCBカードをよく利用している方には嬉しいですね。
dカードプリペイドを支払い方法に設定することも可能ですが、
こちらは他社カードと同様の扱いになるので注意しましょう。
カードを支払いに使う場合はdカードが便利ですが、こちらをd払いで使う場合は基本のポイント還元が適用されません。その代わりにd払い側で200円につき1ポイントのdポイント還元が上乗せされるので、合計で1%還元となります。
d払い残高
d払いにはd払い残高というウォレット機能も用意されており、d払いでの支払い等に使うことが出来ます。以前はドコモ口座として個別に提供されていましたが、その機能がd払いに吸収された形となっていますね。
d払い残高の設定はアプリ上で行いますが、
残高についてはウェブ上でも確認可能です。
d払い残高への入金方法としてはセブン銀行ATMと銀行口座が用意されており、決済サービスを用いたチャージは出来ません。お得にチャージすることはかなり難しいですが、送金等こちらでなければ利用出来ない機能もいくつかあるので覚えておきましょう。
d払い残高についてはこちらでも扱っているので、よろしければ併せてお読みください。
dポイント
dポイントとは、NTTドコモが提供している共通ポイントサービスのことです。ポイントカードの提示や決済サービス等の利用によってポイントが貯まり、NTTドコモを始めとした対応加盟店で使えます。
dポイントカードはローソン等で無料配布されているので、
利用者情報登録をしたい場合はそちらを活用してくださいね。
d払いのコード決済サービスを利用すると、決済金額に対して200円につき1ポイントのdポイントが還元されます。dポイントはキャンペーンに参加した場合も還元されますが、こちらは期間・用途限定ポイントとして付与されるようですね。
また、d払いでは支払いにdポイントを充当することも可能です。設定としては一覧から利用ポイント数を指定することや、全てのポイントを指定することも出来ますよ。
ただし、dカード以外のブランドカードやポイントを利用して支払った場合、その分はポイント還元の対象外となっています。更にはキャンペーンに参加出来ないことも多いので、もしこれらを使う場合は注意しましょう。
現在では「d払いスタンプ」というサービスも用意されており、
活用すればお買い物が少しだけお得になります。
d払いスタンプではコード決済で200円以上のお買い物をすると「スタンプ」が貯まり、スタンプが3つ貯まるとくじに参加することが出来ます。最大で1万ポイントの期間・用途限定ポイントが当たるとのことなので、お買い物の後はこちらも忘れずにチェックしておきましょうね。
d払いタッチ
d払いタッチとは、スマホのタッチ機能を用いてd払いアプリで非接触決済が行える機能のことです。現在ではAndroid版だけでなくiPhone版にも対応しており、利用するためにはd払いアプリの本人確認を済ませることが必要となります。
d払いタッチでは基本的に電子マネーiDが利用出来る他、iPhoneであればVISAのタッチ決済も使えるようですね。設定はd払いアプリの機能一覧の「d払いタッチ」から可能であり、Apple PayやGoogle Payにd払いタッチ用の決済情報が追加されるので確認してみましょう。
かつてのdカードminiがd払い(iD)として統合された後、
2024年にd払いタッチとしてリニューアルされたようですね。
支払い方法としてはドコモユーザーのみ電話料金合算が利用出来る他、d払い残高・dカード・dポイントも使えるようです。ただし、こちらで登録されるiD情報はプリペイド型に分類されるため、自動販売機・ガソリンスタンド・ホテル等では使えないことがあるので覚えておきましょう。
d払いタッチを利用した場合でも0.5%のdポイント還元がある他、dカードを利用した際の+0.5%特典も同じように適用されます。また、dポイントを利用した際に還元対象外となるところもコード決済と同じですね。
d払いタッチの登録が完了した際、同時に「d払いバーチャルカード」(VISAプリペイドカード)も併せて発行されます。カード情報はアプリの「アカウント」タブから「バーチャルカード」を選択すると確認出来るので、使いたい場合は一時停止を解除した上で利用しましょう。
クーポン
d払いアプリではコード決済時に利用可能なクーポン機能が提供されており、使いたいクーポンのバーコードを会計時に提示するだけで利用可能です。クーポンはアプリ下部の「クーポン」タブから使えるので、いつも利用しているお店でお得なクーポンが配布されていたら使ってみましょう。
クーポンにはお気に入り機能も用意されており、
登録したクーポンはハートマークから簡単に表示出来ますよ。
d払いのクーポンは特定ユーザー限定で送られてくることもあるので、アプリのメッセージ機能は定期的にチェックしてみましょう。ここで取得したクーポンはセット(クーポンタブ右上の菱形ボタン)に集められ、対象店舗での決済時に自動適用されます。
ポイント送付
d払いでは残高の送金機能が用意されている他に、dポイントを他者に送付する機能も提供されています。この機能はドコモ回線契約者以外の方も利用可能ですが、その場合はdポイントクラブでの本人確認が必要です。
dポイントの送付は月間3万ポイントまでが可能であり、ポイントの種類に関係無く期限が近いものから使用されます。方法としては宛先指定やQRコードの読み取り、受取用リンク作成等が用意されていますね。
送金の代わりに使っても良いサービスですね。
友人間でdポイントを有効活用しましょう。
サービスの予約機能
d払いでは、スマホアプリからサービスの予約をする機能も提供されています。タクシーや飲食店などが予約可能なので、利用したいサービスが予約可能な場合は使ってみましょう。
アプリから予約を行う際は、d払いによって事前に支払いを済ませることも可能です。引落し先は通常の支払い方法と同様であり、支払いによるdポイントの還元も行われます。
対応サービスについては、拡大が予定されています。
何かと便利な機能なので、チェックしてみましょう。
ドコモユーザー限定特典
d払いではドコモユーザー限定で、携帯回線の継続契約年数に応じたサービス「長期利用ありがとう特典」が用意されています。こちらはdポイントクラブの会員ランク制度で提供される特典の1つで、誕生月におけるd払いの還元率が追加されますよ。
ランク制度の判定期間は過去3か月間で、
期間中の獲得ポイント数に応じて決定されます。
長期利用ありがとう特典の条件と継続年数毎の追加還元率
1つ星 | 2つ星 | 3つ星 | 4つ星 | 5つ星 | |
ポイント獲得条件 | – | 100p以上 | 600p以上 | 1,500p以上 | 5,000p以上 |
継続契約3年以上 追加還元率 | +2% | +3% | +3% | +5% | +5% |
継続契約6年以上 追加還元率 | +5% | +8% | +8% | +10% | +10% |
継続契約10年以上 追加還元率 | +10% | +15% | +15% | +20% | +20% |
誕生月しか適用されないとはいえ、継続契約のみでここまで還元率が上昇するサービスは珍しいですね。この条件はいつの間にか達成していることも多いので、労力無く15%の追加還元が適用されることも多いはずです。
還元上限はプラン毎に異なっており、ギガホで5,000ポイント、ギガライトで3,000ポイント、始めてスマホプランで1,200ポイントとなっています。また、ポイントは付与から6か月間の期間・用途限定ポイントとして付与されるようです。
折角ドコモを利用しているのであれば、
これらの特典を積極的に活用しましょう。
ただし、現在のドコモで主に提供されているプラン「eximo」「ahamo」「irumo」については特典の対象外となっています。以前からドコモを利用している方が契約を切替えると、場合によっては大きく損をしてしまうこともあるので注意しましょう。
ちなみに、長期利用ありがとう特典ではdカード以外のブランドカードを利用した場合も還元率追加の対象となっているようです。d払いの柔軟な使い方が可能となる特典であり、通常のキャンペーンには無い魅力を持っていますね。
セキュリティ
d払いでは24時間体制でモニタリングをしており、決済情報を常に監視しています。不正なアカウント利用を検知すると、決済機能又はアカウント自体が停止されるので安心ですね。
また、d払いアプリでは生体認証を用いた端末ロック機能にも対応しています。もし端末が紛失・盗難に遭ってしまっても、ロックがかかっていれば不正利用を防ぐことが可能です。
それでも不正利用が発生してしまった場合は、d払いご利用規約第17条によって損害の全額が補償されます。対象は端末の不正利用だけでなく、dアカウントや紐付けた銀行口座の不正利用を含めた幅広い補償が用意されていますね。
コード決済としては最高水準の補償内容であり、
クレジットカードと比較しても遜色ありませんね。
申請の対象となるのは、発生から90日以内且つ知ってから30日以内の被害です。管轄の警察組織に被害届を提出した上で、利用履歴や預金通帳等の証拠書類と共に所定の手続きをしましょう。
d払いのお得な使い方
d払いにおける料金の引落し方法としては、特殊な場合を除きdカードとd払い残高の2択になるはずです。現在ではポイント還元が適用される対象がかなり狭まっているため、キャンペーンへの参加を重視すると良いかもしれません。
d払いのキャンペーンはアプリや公式サイトから確認出来るので、使えそうなものがあるか時々チェックしてみてくださいね。多くのキャンペーンは参加するためにエントリーが必要なので、そちらも忘れないようにしましょう。
スマホ料金の支払いにお得なカードを設定しているのであれば、電話料金合算を使うことでよりお得に利用することも可能です。ですが、現在では2年契約による割引サービスの新規受付を終了しているので、新規にドコモと契約する場合はdカードで料金を支払った方が良いでしょうね。
dカードはドコモ回線料金の支払いがポイント還元対象外ですが、
dカードお支払割が適用されるのでこちらを優先しましょう。
もしd払いをローソンで使用した場合、支払い前にdポイントカードを提示しなくてもその分のポイントがもらえます。もしdポイントだけを貯めるつもりであれば、支払いがより簡単になるので覚えておきましょう。
d払いはポイント還元が少々弱いので、もし高還元カードを使いたい場合は他のコード決済アプリとの使い分けもおススメです。また、dカードにはポイント還元率が上がる特約店もあるので、状況によってはカードを直接使う選択も必要となります。
ちなみに、三井住友プリペイドカードは発行元の方針により、基本的にはコード決済で利用することが出来ません。ただし、dカードプリペイドについては要望が多くあったため、特別にd払いでも使えるようになっていますね。
d払いの注意点
d払いは便利でお得なサービスですが、一部機能の使いにくさが目立ちます。d払いを利用する場合は、以下に挙げる点に注意しましょう。
アプリが使いにくい
d払いアプリは起動が遅く、コード決済の利用時に時間がかかりやすいので注意しましょう。また、d払いアプリは勝手にログアウトされることが同種のアプリに比べて多いので、その度にログインをし直さなければなりません。
d払いの利用予定がある日は、出かける前にログイン状況の確認をしましょう。また、d払いアプリは決済を行う少し前から起動しておくことをおススメします。
ドコモ契約者の場合、ログインにはspモードパスワードが要求されます。
外出先では特に困ることになるので、お出かけ前に必ずチェックしましょう。
d払いの更に不便なところとしては、ブランドカードの登録情報についてが挙げられます。d払いのブランドカード設定はdアカウントと共通なので、最大3枚までしか登録出来ません。
ブランドカードを引落し先に設定する場面にも問題があり、カードを切替える度に3Dセキュア認証が要求されます。1度認証したカードでも再認証が必要なので、外出先でのカード設定は控えましょう。
d払いは用途によって有効な引落し方法が異なるので、
カードを適宜切替えたい場合はかなり不便な仕様ですよね。
ポイント還元対象外取引
d払いではdポイントを利用した決済も可能ですが、dポイントを利用した決済分はポイント還元対象外となっています。他社のコード決済サービスではポイント利用でも還元対象となることが多いので、その感覚で利用しないように注意しましょう。
dポイントを充当した場合でも、ポイントカードの提示は可能です。
どうしてもポイント決済が必要な場合は活用してください。
また、d払いアプリでは払込票支払いも取り扱っていますが、こちらを利用してもポイントは還元されません。引落し方法にはd払い残高しか使えないこともあり、払込票支払いには他の決済サービスを利用することをおススメします。
これからのd払いに期待すること
d払いは非常にお得な決済サービスであり、特にJCBカードの利用者にとってはコード決済手段の数少ない選択肢の1つですよね。ですが、やはりアプリの仕様については気になってしまいます。
d払いアプリは実店舗の決済時に利用するので、起動が遅いのは特に大きなデメリットです。これでログアウトまでされていれば利用を諦めてしまうことも多いはずなので、まずはアプリの動作改善を早急にお願いしたいですね。
また、d払いに関しては還元対象外となる条件を今より狭めて欲しいです。ポイント充当や払込票支払い等は便利なだけに、還元サービスが適用されないのは非常に惜しいですよね。
まとめ
d払いはお得さが魅力の決済サービスであり、ポイント還元とキャンペーンを活用したいですね。現在ではdカード以外のブランドカードが還元対象外となってしまいましたが、便利に使えることには変わりありません。
利用可能な国際ブランドが豊富であることも大きな特徴であり、コード決済サービスとしてはどのような方にも扱いやすくなっています。d払いはおススメ出来る決済サービスであり、コード決済としての第一候補として挙がることは間違い無いでしょう。
もしd払いに興味があれば、公式サイトをチェックしてみてくださいね。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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