クレジットカードを選ぶ際の基準は様々ですが、中でもポイント還元率を重視している方は多いはずです。かつてはVisa LINE Payクレジットカードもその1枚でしたが、現在ではその還元率も落ち着いています。
こちらのカードはLINE Payのサービス終了予定に伴って、2025年4月下旬頃にサービス終了予定となっています。今となっては使い方が難しいカードになっていますが、もしこちらのカードを活用したい場合はその性質を効果的に使いたいですね。
今回は、Visa LINE Payクレジットカードについて考察していきましょう。
目次
サービス概要
Visa LINE Payクレジットカードとは、LINE Payとの提携で三井住友カードが発行するクレジットカードサービスのことです。支払いに使うとカード会社による立替払いが行われ、料金は後に請求される後払い方式のカードですね。
カードを発行する場合は、高校生ではない18歳以上の方が申請可能です。ただし、20歳未満の方は保護者の同意が必要な他、ポイントサービスを利用するにはLINE Payへの紐付けが必要です。
カードの機能を全て利用したい場合は、
ウェブサービス「Vpass」を利用しましょう。
Visa LINE Payクレジットカードはバーチャルカードとして発行することも可能で、その場合はVpassアプリからカード情報を確認します。また、スマホのおサイフケータイ機能を利用することで実店舗での支払いも可能です。
まずは、Visa LINE Payクレジットカードの基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | 三井住友カード | |
提供会社 | LINE Pay | |
国際ブランド | VISA | デザインを選択可能 |
電子マネー | NFC Pay | VISAのタッチ決済 |
電子マネーiD | Apple Pay | |
Google Pay | ||
年会費 | 無料 | |
ETCカード 年会費 | 500円+税 | 初年度無料 |
前年度の決済歴有で無料 | ||
家族カード 年会費 | 無料 | |
為替手数料 | 2%+税 | |
還元率 | 1% | |
還元方法 | LINEポイント | LINE Payとの連携が必要 |
3Dセキュア | メール認証 | ワンタイムパスワード |
補償 | 不正利用補償 | 知ってから30日以内且つ 発生から60日以内の申請 |
ショッピング補償 | 年間100万円まで | |
海外旅行保険 | 最高2,000万円まで | |
優待 | 三井住友カード優待 | 詳しくはこちら |
決済履歴の確認や各種申請を行う場合は、三井住友カードのウェブサービス「Vpass」を利用します。こちらは3Dセキュア認証の利用条件にもなっているので、もし発行した際には必ずチェックしてくださいね。
Vpassはスマホアプリとしても提供されているので、
外出先から決済履歴を確認したい場合は重宝しますよ。
現在の3Dセキュアでは認証方法としてメールアドレスを利用しており、Vpassの登録メールアドレスにワンタイムパスワードが送信されます。もしVpassに複数のメールアドレスを登録している場合、メールアドレス1に登録されたものが使用されるので覚えておきましょう。
LINEポイント
LINEポイントとは、LINE Payで提供されている独自ポイントのことです。Visa LINE Payクレジットカードを利用した際もこちらが貯まり、決済金額の1%に相当する分がポイントとして付与されます。
LINEポイントは概ね1ポイント=1円の価値を持ち、LINEの各種サービスや景品等に交換することが出来ます。他にはLINE PayやVisa LINE Payプリペイドカードの支払いに充当可能な他、PayPayポイントへ交換することも可能ですよ。
他にはLINE証券で使うことも可能であり、
こちらであればポイントの現金化も可能です。
ただし、一部サービスでは還元対象外に指定されているので注意が必要です。Kyashや三井住友プリペイドカード等も還元対象外となっているので、ポイント二重取りはかなり難しいですね。
また、税金や公共料金の支払いは1回30万円、その他は1回5万円までの支払いが還元対象となっています。もしこれらで高額な支払いが必要な場合は、他のカードを利用した方が良いかもしれませんね。
LINEポイントの有効期限は、最後にポイントを取得した日から180日後です。元の有効期限はかなり短めですが、継続的に貯めていればいつまでも延長可能となっていますね。
チャージ&ペイ
チャージ&ペイとは、LINE Payにおける決済方式の1つです。紐付けたブランドカードから料金の引落としを行うことで、事前のチャージを必要とせずにLINE Payを使うことが可能となっています。
チャージ&ペイには三井住友カード発行のVISAクレジットカードが設定可能であり、Visa LINE Payクレジットカードは勿論対象となっています。通常の三井住友カードであれば0.5%分のポイント還元が適用されますが、こちらのカードはチャージ&ペイでの利用分が還元対象外に指定されているので注意しましょう。
チャージ&ペイはMastercardブランドが設定出来ない他、
ANAカードも設定することも出来ません。
チャージ&ペイの対象となる主な支払い方法は、コード決済・払込票支払い・ネット加盟店での支払いの3種類です。Visa LINE Payプリペイドカードの支払いは対象外なので、そちらにはLINE Pay残高を使ってくださいね。
マイナーチェンジカード「ポイントプラス」
三井住友カードでは、Visa LINE Payクレジットカードのマイナーチェンジ版とも言えるカードが発行されています。それがVisa LINE Payクレジットカード(P+)であり、ポイント還元に関するルールが変更されています。
通常のポイント還元率は0.5%に低下しているものの、LINE Payのチャージ&ペイによるコード決済であれば5%還元が適用されます。この特別還元は月間500ポイントが上限となっているので、大体1万円までを目安に使うことになりそうですね。
ネット加盟店や請求書での支払いについては、
残念ながら5%還元の対象外に指定されています。
ポイント還元ルール以外の提供条件については違いが無く、少々癖の強いカードと言えそうですね。もしLINE Payのコード決済でのみ使う予定であれば、こちらを選択肢に入れても良いかもしれません。
セキュリティ
発行元の三井住友カードでは不正利用検知システムが稼働しており、カードによる決済を常に監視しています。システムが検知した決済は保留され、本人による決済であるか否かの確認が行われます。
三井住友カードではあんしん利用制限サービスが提供されており、カード決済に対して任意に一時停止が行えます。全ての決済を一律で停止することは勿論、海外加盟店決済とネット決済を個別に停止することも可能です。
あんしん利用制限サービスを利用する場合は、
Vpassが必要なので必ず登録しましょう。
もし不正利用が行われてしまった際は、三井住友カード会員規約第14条によって損害が補償されます。必要であれば管轄の警察組織に被害届を提出した上で、発生から60日以内に所定の申請を行いましょう。
カードの紛失・盗難や不正利用補償の手続きが一段落した後は、停止したカードの再発行を申請しましょう。再発行手数料はVpassから手続きを行えば無料となるので、安心して申込してくださいね。
Visa LINE Payクレジットカードの使い方
登場当初は高いポイント還元率で注目されたVisa LINE Payクレジットカードですが、現在では1%の還元率に落ち着いています。その上でポイント二重取りも難しいカードなので、少々使いにくいカードになっていることは事実です。
もしこちらのカードを使うのであれば、還元されるLINEポイントの使い道は必ず考えておきましょう。PayPayポイント等への交換では態々こちらのカードを使うメリットが無いので、LINE内のコンテンツやギフト等で使うと良いかもしれません。
LINE Payのチャージ&ペイに限定して使う予定であれば、
割り切ってP+を契約することも視野に入れましょう。
P+におけるコード決済での5%還元は中々お得なので、有効なカード特典が用意されていない加盟店では重宝するかもしれません。ただし、還元上限である月間500ポイントを超えた分は還元対象外となるので、もしそれ以上利用したい場合は他の支払い方法を検討してみましょう。
Visa LINE Payクレジットカードの注意点
Visa LINE Payクレジットカードは使い方が難しく、特徴を活かすためには使い方を工夫しなければなりません。それに加えて、こちらのカードはセキュリティにも注意しなければならないことを覚えておきましょう。
三井住友カードからは十分なセキュリティが提供されていますが、問題となるのはLINE Pay側のセキュリティです。ポイント還元等、サービスの一部はLINE Payから提供されていますからね。
2021年3月、LINEの業務を一部委託していた中国の業者から、LINE利用者の個人情報に対するアクセスがあったことが発覚しました。これはLINE Payにおいても例外ではなく、紐付けていたVisa LINE Payクレジットカードの情報も含まれていたそうです。
LINE Payではこれ以外でも度々情報流出を起こしているので、
こちらのカードはそのリスクを認識した上で利用してくださいね。
どれだけ三井住友カードが頑張っていても、LINE Payからカード情報が流出してしまえば不正利用の危険性は高まります。「常に危険である」とまでは言いませんが、警戒は必要ですね。
サービス終了について
Visa LINE PayクレジットカードはLINE Payと強く関連するサービスですが、LINE Payは2024年9月頃から段階的にサービスが終了する予定となっています。2022年4月頃にあったPayPayへの一本化の話はうやむやになっていましたが、今回はその話が本格的に進められているようですね。
これはVisa LINE Payクレジットカードにも影響があり、2025年4月下旬頃にサービスが終了する予定となっています。ショッピング利用については有効期限まで行えるそうですが、カード特典等は変更される予定のようです。
P+についても同様にサービスが終了する予定となっているので、
現在カードを利用している方は今の内に他のサービスを検討しましょう。
Visa LINE Payクレジットカードはサービス開始当初こそ常時2%還元で注目されていましたが、そのサービスも長続きせず年々縮小していました。更にはLINE Pay側のセキュリティ問題が懸念されていたこともあり、正直いつサービスが終了してもおかしくない状況にあったように感じますね。
ちなみに、カードの還元対象となっているLINEポイントについては、LINEヤフーに運営が引き継がれて今後もサービスが継続されるそうです。こちらはLINEアプリでのポイ活でも地味に便利なサービスなので、今後も活用して行きたいところですね。
まとめ
Visa LINE Payクレジットカードは高還元率で注目されていましたが、現在では使い方が難しいカードとなっています。もしこちらのカードを契約するのであれば、還元されるLINEポイントの使い道を工夫しなければなりません。
現在ではマイナーチェンジカードのポイントプラスであれば、LINE Payのチャージ&ペイで活用の道が残されています。LINE Payであれば還元ポイントが同じなので相性もそれなりに良く、こちらとの併用は必須と言えそうですね。
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