旅行によく行く方にとっては、航空会社のマイレージサービスは便利ですよね。その中でも、ANAマイルを貯めている方は多いのではないでしょうか。
ANA JCBプリペイドカードはANAマイルを貯めるにも役立ちますが、単にJCBプリペイドカードとしても魅力のある1枚です。マイルを貯めるつもりのない方にとってもお得なので、有効に活用したいですね。
今回は、ANA JCBプリペイドカードについて考察していきましょう。
目次
サービス概要
ANA JCBプリペイドカードとは、全日本空輸の提供によってジェーシービーが発行するブランドプリペイドカードサービスのことです。チャージした残高を利用してJCB決済を行うことが主な機能ですが、同時にANAマイレージクラブカードとしても提供されています。
ANA JCBプリペイドカードは、国内在住で15歳以上且つ中学生ではない方が発行可能です。発行の際はANAマイレージクラブの会員番号が必要であり、会員でない場合は発行と同時に登録を行います。

ANAマイレージクラブ会員番号は、
どのコースを選択した場合でも必要です。
発行には2種類の本人確認書類を提示する必要があるのですが、画像アップロードで済むため提出自体は簡単です。画像アップロードで本人確認を行った場合は、カードは簡易書留で送られるので本人以外の家族に受け取ってもらうことも可能ですよ。
まずは、ANA JCBプリペイドカードの基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | ジェーシービー | |
提携会社 | 全日本空輸 | ANA |
国際ブランド | JCB | 3色のデザインを選択可能 |
ICカード | – | |
電子マネー | QUIC Pay | Google Pay |
発行手数料 | 無料 | |
年会費 | 無料 | |
為替手数料 | 1.6% | |
残高上限 | 30万円 | キャッシュバックにより 超過する可能性有り |
残高有効期限 | 最終利用から2年後の同月末 | |
チャージ方法 | コンビニ | 1回4万9,000円まで |
JCBブランドのカード | ||
銀行口座 | 1回2万9,000円まで | |
WEBコンビニ | ||
チャージ手数料 | 無料 | |
100円+税 | 銀行口座とWEBコンビニで 1万円未満の場合 | |
+500円+税 | 初回チャージのみ | |
還元率 | 月間1,000円につき5マイル | 当月16日から翌月15日の期間 |
月間200円につき1円 | ||
ボーナス還元 | 半年12万円のチャージで 180マイル又は円 | 起点は3月16日と9月16日 |
半年24万円のチャージで 360マイル又は円 | ||
還元方法 | ANAマイル | マイルコース |
各種キャンペーン | ||
キャッシュバック | キャッシュバックコース | |
3Dセキュア | パスワード認証 | マイページの ログインパスワード |
決済限度額 | 1日30万円 | |
1回3万円 | QUIC Pay | |
セキュリティ | 決済一時停止/再開設定 | マイページで設定 |
補償 | 不正利用補償 | 発生から60日以内の申請で補償される |
優待 | JCBカードサービスの一部 | 詳細はこちら |
カードの利用履歴確認やチャージ申請等、必要な設定・申請等は専用ウェブサービス「マイページ」を利用します。マイページのログインパスワードは3Dセキュア認証用パスワードも兼ねているので、必ずチェックしましょう。

3Dセキュア(J/secure)については公式のQ&Aを確認する限り、
一応は3Dセキュア2.0(EMV-3Dセキュア)にも対応している様子です。
マイページはこちらのカードを利用する際に必須のサービスなので、URLをブラウザのブックマークに登録しておきましょう。また、マイページのスマホアプリは用意されていませんが、ホーム画面にショートカットを追加することで代用可能です。
また、こちらのカードはANAマイルに関連するサービスも提供されていますが、マイページ上ではマイル残高を確認することが出来ません。そちらではANAのサイトやマイレージアプリ等が必要となるので、そちらのブックマークやダウンロード等も行っておきましょう。
2つのコース

ANA JCBプリペイドカードを発行する際は、マイルコース・キャッシュバックコースという2つのコースから1つを選択します。選択したコースによってカードの還元サービスは変化しますが、後から変更することは出来ないのでよく考えて選びましょう。
マイルコースでは月間利用金額に対して1,000円につき5マイル、キャッシュバックコースは月間利用金額に対して200円につき1円が還元されます。同じ還元率0.5%でもコースによって算定方法が異なるので、発行する場合はこの違いについても考えておきましょう。

どちらのコースが良いというよりも、
ANAマイルを貯めるか否かで選択しましょう。
ANA JCBプリペイドカードにはチャージボーナスが用意されており、3月16日~9月15日・9月16日~3月15日の半年間のチャージ金額に応じてマイル又は残高が付与されます。期間中12万円以上であれば180マイル/円が、24万円以上であれば360マイル/円が付与されるので活用しましょう。
ちなみに、例えキャッシュバックコースを選択したとしても、キャンペーン参加によって付与される還対象は全てANAマイルとなっています。あまり飛行機に乗らない方にとっては少々困りものですが、そちらの使い方についても合わせて考えておきたいですね。
発行時の手数料について

ANA JCBプリペイドカードは発行そのものには手数料が課されませんが、初回チャージ時に500円+税の手数料が追加されます。これはどのチャージ方法を利用した場合でも発生するので、初めて発行する際には覚えておきましょう。
ただし、初回チャージ手数料については定期的に無料キャンペーンが開催されています。キャンペーンについては公式ページで告知されているので、発行の際はこちらを狙いましょう。

キャンペーンで無料になるのは、あくまで初回チャージ手数料です。
期間経過後に初回チャージをすると手数料が発生するので注意しましょう。
ANAマイレージ

ANAマイレージクラブとは、全日本空輸が提供しているポイントサービスのことです。ANAの航空機を利用した際や、専用の決済サービスを利用した場合等で貯まります。期限は取得から36か月後の月末となっているので、それまでに利用する方法を考えておきましょう。
ANAマイルは航空券を始めとして、様々な商品やサービスに交換可能となっています。ただし他社の共通ポイントには1万マイルからの交換が必要であり、ANA JCBプリペイドカードだけで賄うには少々厳しいですね。

ANAマイルは航空券に交換する際、通常の購入金額よりも
非常に安いレートで入手可能なことが知られています。
例えばファーストクラスでハワイまで行くと、ANAマイルでの交換レートは約12万マイルです。通常の運賃は35万円前後かかるので、この場合は日本円に対して約3倍の価値を持っていますね。
航空機をよく利用する方にとっては、1マイルの価値が非常に高くなるはずです。該当する方はカードを含めたサービスを駆使して、ANAマイルをたくさん貯めてくださいね。
JCBカードの特典

ANA JCBプリペイドカードでは、JCBカードとしての特典が一部利用可能です。対象となっているサービスは以下のようになっています。
ANA JCBプリペイドカードの特典
- 国内講演チケットの優先・割引販売
- JCBギフトカードの購入
- 空港での手荷物宅配サービス
- 海外旅行情報サイト「たびらば」の一部利用
- 海外旅行時の緊急サービス「JCBブラザーコールセンター」の一部利用
- JCB GLOBAL Wi-Fi
海外旅行時の特典がメインなので、興味のある方は利用してみましょう。国内でもチケット購入等便利な特典はあるのですが、JCBギフトカードの購入は還元サービスの対象外となっているので注意してください。
オーソリについて

オーソリとはカード加盟店がブランドカードの有効性を確認することであり、その際に少額の支払いが一時的に実行されます。店舗側はこれによって料金の請求が可能であるか否かを判定し、これが通ればカードの登録等が出来るようになります。
これはクレジットカードの後払い決済を前提としたシステムであるため、その他のブランドカードで実行された場合は不具合が発生します。ブランドプリペイドカードでオーソリが発生すると残高が一時的に拘束され、返還には最大60日前後を要します。
ですが、ANA JCBプリペイドカードについては1円程度のオーソリは残高に反映されません。日本を代表する決済企業のカードなだけあって、決済に関する信頼性は非常に高いですね。

ブランドプリペイドカードにおいて、
オーソリに勝てるカードは貴重です。
セキュリティ

カードの発行元であるJCBは、カードによる決済を自社のセキュリティシステムによって常に監視しています。ここで不正利用を検知した場合は、本人確認が取れるまで決済が保留されるので安心ですね。
また、マイページからは決済機能の一時停止設定も可能です。カードを使わない時に設定しておけば、不正利用被害を未然に防ぐことに繋がります。
それでも不正利用に遭ってしまった場合は、JCBプリペイドカード会員規約第30条から不正利用補償を受けることが可能です。必要な方は管轄の警察組織に被害届を出した上で、被害の発生から60日以内に所定の申請を行いましょう。

JCBプリペイドカードはMy JCBを利用出来ないので、
受付デスクに電話で連絡しましょう。
ANA JCBプリペイドカードの使い方
ANA JCBプリペイドカードの仕様は尖った性質の少ない比較的オーソドックスなものですが、使い方次第ではかなりお得なカードとなります。ANA JCBプリペイドカードは0.5%分のANAマイル還元又はキャッシュバックがお得ですが、それ以上に特徴的なのがチャージボーナスです。
チャージボーナスでは半年間に12万円チャージすると180マイル又は円が還元される(24万円まで)ため、通常の還元率とは別に0.15%分が付与されることになります。これは例え還元対象外となる加盟店で利用した場合でも有効なので、場所を選ばない活躍に期待が持てますね。

10万円単位で残高が余ると使い道に困ってしまうので、
ボーナス狙いのチャージは計画的に行ってくださいね。
チャージ方法

チャージ方法としてはポイント二重取りが狙えるブランドカードを使いたいところですが、利用出来る国際ブランドはJCBに限定されています。また、My JCBを利用するカードやOki Dokiポイント(JCBの独自ポイント)が還元されるカードでは還元対象外となる可能性があるので、チャージ用のカード選びは慎重に行いましょう。
上記の条件をクリアしているJCBブランドのカードとしては、一般的なものでは楽天カードが挙げられます。他にはECナビカードプラスというカードであれば最大1.3%のポイントが還元される上に、還元対象はポイントサイトのポイントなのでANAマイルとも相性が良いですね。

楽天カードは2枚目の発行も可能なので、
既に利用している方はJCBを追加しても良いですね。
他の候補としては、イオンカードであれば毎月10日に使うと1%還元でチャージ可能です。貯まるポイントはANAマイルとの相性があまり良くないものの、イオン銀行キャッシュ+デビットというデビットカードでも還元されるので学生の方にはおススメします。
ちなみに、楽天銀行デビットカードについては公式でブランドプリペイドカードチャージが還元対象外として指定されています。現時点ではチャージに利用しても還元対象となる様子ですが、いつかシステムが変更される可能性もあるのでこちらを活用する場合は備えておいてくださいね。
支払いについて

ANA JCBプリペイドカードは様々なJCB加盟店で利用出来ますが、一部の決済サービスでも同様にチャージ方法として設定することが可能です。ブランドプリペイドカード等については基本的にマイル又は円の還元対象外に指定されていますが、チャージボーナスがある分こちらのカードを経由すると少しお得ですね。
現在ではJAL Global WALLET(JAL Pay)へのチャージに利用出来ることが確認されているので、こちらを起点にポイント多重取りへ繋げることが出来ます。ここからau PAY(プリペイドカード)へ更にチャージした上で、Apple Pay経由でANA Payへチャージすれば2.65%以上の還元率が簡単に実現可能ですね。

JCBのネット加盟店で支払いたい場合、
途中でMIXI Mカードへチャージしても良いですね。
ANA JCBプリペイドカードには目立ったカード特典が用意されていませんが、逆に言えば支払い方法による特典が特に用意されていない加盟店では使いやすいかもしれません。また、こちらのカードでは還元サービスが1か月間の合計利用額から算定されるため、定期契約のように細かい支払いが発生しやすい場面でも活用しやすいはずです。
ANA JCBプリペイドカードにはその性質上利用出来ない加盟店もあるのですが、サブスクリプションサービスに関しては特に規制されていません。最近のコンテンツ業界ではJCBしか使えない加盟店も増えて来ている様子なので、そちらで月額サービスを契約する際には重宝するかもしれませんね。

こちらのカードは加盟店側からクレジットカードとして認識されることがあり、
JCBが拒否していなければ様々な場面での支払いに使えますよ。
ANA JCBプリペイドカードの注意点
ANA JCBプリペイドカードは誰にとっても使いやすいカードですが、一部で機能やシステム上の使いにくさは存在します。カードの利用時はそちらに注意してくださいね。
コースを途中から変更することが出来ない

ANA JCBプリペイドカードを使っているうちに、もしかしたらコースを変えたくなることがあるかもしれません。しかし、そのようなことがあったとしても申込時に選択したコースを後から変更することは出来ないので注意しましょう。
ANAマイルは飛行機に乗らない方であれば貯める意味が薄いものの、現在では新ANA Payであれば1マイル=1円で1マイルからチャージに使うことが出来ます。こちらはバーチャルカードによりネット加盟店での支払いも出来るので、もし併用しても良いのであればマイルコースを選択してみましょう。

キャッシュバックコースは還元率が微妙に優れているので、
還元されない余りがどうしても気になる場合は選んでみましょう。
ICチップが付帯されていない

ANA JCBプリペイドカードにはICチップが付帯されておらず、実店舗では磁気ストライプを利用して決済を行います。磁気ストライプはスキミングによってカード情報が盗まれやすく、このカードを利用する場合は不正利用の危険性を考慮しなければなりません。

例え還元サービスの優れたカードであったとしても、
安全性に難のある方法では実店舗の決済に利用したくないですよね。
Android端末を利用している方であればGoogle PayによってQUIC Payが使えますが、iPhoneの場合はApple Payに対応していないため非接触決済が出来ません。その場合はd払いや楽天ペイといったコード決済サービスを中継して、セキュリティをより高めた上で使いましょうね。
事業費の決済には利用出来ない

ANA JCBプリペイドカードは便利なカードですが、生計費の決済にのみ利用可能となる旨が規約上で定められています。つまり、ANA JCBプリペイドカードを事業費の決済に利用することは出来ないので注意してください。
これは決済時点よりも、確定申告等の税務処理で問題となり得るので絶対に守りましょう。特に自営業者や個人事業主の方は、規約を忘れてパソコン等を買わないようにしてくださいね。

生計費と事業費の境界が曖昧な方は、
特に注意して利用しましょう。
これからのANA JCBプリペイドカードに期待すること

ポイント二重取りが期待出来るブランドプリペイドカードの中でも、ANA JCBプリペイドカードはとてもお得なカードです。このカードについて知ってしまうと、実際に発行してみたくなりますよね。
ですが、発行する際には2つのコースを選ばなければなりません。どちらも一長一短なコースなので、ここで長い時間悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。
ANA JCBプリペイドカードのコースについては、マイルコース1つにまとめてしまっても良いのではないかと思います。1マイル=1円としてANAマイルを用いたチャージが出来るようになれば、コース選択の必要性はありませんよね。
新ANA Payのようにマイルチャージが可能であれば、ANA JCBプリペイドカードはANAマイルの期限切れ対策としても重宝されるはずです。これはカードが更に注目される切っ掛けにもなり得るので、ぜひシステムの変更をお願いしたいですね。
まとめ
ANA JCBプリペイドカードは、ブランドプリペイドカードとしてはかなり優秀な機能を持っています。特に還元サービスにおけるボーナスや還元ルールは非常に優れており、とてもお得なカードですね。
また、ICチップこそ付帯していませんがQUIC Payやコード決済も利用可能なので安全性についても問題ありません。万が一不正利用被害にあったとしても、補償サービスがあるので安心して決済に使えますね。
ANA JCBプリペイドカードは還元サービスの内容から、非常に注目されているカードの1枚です。興味のある方は早速このカードを発行して、お得にお買い物を楽しみましょうね。

ここまでご覧いただきありがとうございます。
よろしければ他の記事もご覧ください。
コメント