キャッシュレス決済が普及し始めている現代社会では、ブランドカードも前払い式で誰でも使えるサービスが増えています。中には還元サービスが提供されるブランドプリペイドカードもあり、それらを活用したポイント二重取りはお得の基本的なテクニックとも言えますね。
ANA Payプリペイドカードはそのようなサービスの1つであり、ANAマイルが貯まる決済サービスとしては手軽に利用出来ます。更には他の決済サービスと組み合わせて使うことも可能なので、ポイントの多重取りを目指すことも出来ますよ。
今回は、ANA Payプリペイドカードについて考察して行きましょう。
サービス概要
ANA Payプリペイドカードとは、ANA Xが提供するブランドプリペイドカードのことです。事前にチャージした残高を利用して、VISAブランドによる支払いが可能なサービスですね。
サービス全体としての基本的な名称は「ANA Pay(タッチ払い)」であり、キャンペーン等でもこちらの名称が主に用いられています。ですが、当サイトでは分類としての分かりやすさを重視するため、ブランドカード側をメインとして取り扱うことをご了承ください。

以前のANA Payはコード決済中心のサービスでしたが、
2023年5月から現在のサービスにリニューアルされました。
ANA Payプリペイドカードはスマホ上のバーチャルカードとして提供されており、利用するにはANAマイレージクラブへの登録が必要です。その上でANAマイレージクラブアプリをダウンロードして、ANA Payの利用登録を済ませると発行されます。
ANAマイレージクラブは会員になるだけであれば公式サイトから登録出来るので、クレジットカードを発行する予定が無ければこちらで済ませておきましょう。ANA Payの利用には年齢制限が設定されていませんが、登録時には携帯電話番号によるSMS認証が必要となります。
まずは、ANA Payプリペイドカードの基本的なサービス概要を見て行きましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | ANA X | |
国際ブランド | VISA | |
電子マネー | NFC Pay | VISAのタッチ決済 |
電子マネーiD | ||
発行手数料 | 無料 | |
年会費 | 無料 | |
残高上限 (本人確認済) | 30万円 | キャッシュ残高 |
5万円 | マイル残高 | |
残高有効期限 | 最後の変動から4年間 | キャッシュ残高 |
最後の変動から1年間 | マイル残高 | |
為替手数料 | 4.07% | |
チャージ方法 | ブランドカード | オートチャージ可 |
セブン銀行ATM | ||
Apple Pay | ||
還元率 | 200円につき1マイル | キャッシュ残高のみ |
還元方法 | ANAマイル | |
3Dセキュア | メール認証 | |
SMS認証 | ||
セキュリティ | – | |
補償 | 不正利用補償 | 発生から60日以内の申請 |
優待 | – |
ユーザー情報はANAマイレージクラブのものが使われ、3Dセキュア認証等もそちらに登録した電話番号やメールアドレスを利用します。カード番号等の決済情報を確認したい場合は、ANA Payホーム画面の右上にあるカードのマークを選択しましょう。

基本的なカード名義は「ANA Pay Member」ですが、
代わりに会員情報として登録した本名を入力しても大丈夫ですよ。
ANA Payプリペイドカードはネット加盟店や非接触決済に対応した実店舗で使えますが、定期契約全般・一部ホテル・ガソリンスタンド・高速道路・機内販売・自動販売機には利用出来ません。また、換金性の高い商品の購入や一部決済サービスへのチャージも出来ない他、ブランドプリペイドカード自体を拒否している加盟店でも使えないので覚えておきましょう。
残高の種類

ANA Payプリペイドカードの残高には「ANA Payキャッシュ」と「ANA Payマイル」の2種類があり、それぞれチャージ方法を始めとした提供条件が異なります。支払いには事前に選択した残高が用いられるので、カードを利用する際は事前に確認するようにしましょう。

残高はホーム画面のタブを切替えるだけで選択出来ます。
画面の色も変わるので分かりやすいですね。
キャッシュ残高はANA Payにおける基本的な残高であり、主にブランドカード・Apple Pay(登録カード)・セブン銀行ATMが利用可能です。よりお得にサービスを使いたい場合は、ポイント還元のあるブランドカードやApple Payからチャージしたいですね。
ブランドカードからチャージする場合、VISA・Mastercard・JCB・Diners Clubの4ブランド(Apple PayではDiners Club非対応)が使えます。珍しくDiners Clubが利用出来る反面、KyashやB/43等とは異なりAmerican Expressに対応していないことを覚えておきましょう。
マイル残高はその名の通りANAマイルからチャージした分の残高で、1マイル=1円のレートで1マイルからチャージ可能となっています。こちらは還元サービスの対象外となる等制限が強めにかかっていますが、ANAマイルの使い道に困っている方であれば重宝するはずです。

現時点では一度の支払いで両残高を併用することが出来ませんが、
将来的には両残高をシームレスに扱える機能強化も予定されているそうです。
本人確認

ANA Payプリペイドカードを利用する上で本人確認は基本的に不要ですが、残高上限の上昇・チャージ上限の上昇・オートチャージ設定(ブランドカード)が必要であれば済ませておきましょう。本人確認はホーム画面下部の「設定」から、「アカウント情報」を選択することで行えますよ。
本人確認による残高上限・チャージ上限の変化
本人確認未済 | 本人確認済み | |
ANA Payキャッシュ残高上限 | 10万円 | 30万円 |
ANA Payマイル残高上限 | 3万円 | 5万円 |
ANA Payキャッシュ入金上限 | 1日2万円まで 1か月10万円まで | 1日10万円まで 1か月30万円まで |
ANA Payマイル入金上限 | 1日5,000円まで 1か月3万円まで | 1日1万円まで 1か月5万円まで |

普段のお買い物で利用したいというだけであれば、
本人確認をしなくても大して困ることは無いはずです。
本人確認ではスマホで本人確認書類と顔写真の撮影が行われ、終了した際には数日後にメールで結果が通知されます。本人確認書類としては運転免許証・運転経歴証明書・マイナンバーカード・特別永住者証明書・在留カードが利用出来るので、使いやすいものを用意しておきましょう。
ANAマイル

ANAマイルとは、全日本空輸によって提供されているマイレージサービスのことです。航空券に交換する際のレートが非常に優れていることが特徴であり、海外への渡航が多い方から大きな人気がありますね。
ANA PayプリペイドカードではANAマイルが還元対象になっており、キャッシュ残高による1度の決済毎で200円につき1マイルが還元されます。付与日は支払い日ではなく加盟店側の確定日を基準としており、大体15日後には付与される様子です。

各社のマイルは決済サービス等で貯めることも可能であり、
それを日常生活で実践している方々は「陸マイラー」と呼ばれていますね。
ANAマイルの有効期限は付与から36か月後となっており、航空券やポイント変換等でまとめて使いたい場合はそれまでに貯めましょう。あまり貯めることが出来ない場合はANA Payマイル残高へチャージする他に、ANAのサービスで使える「ANA Skyコイン」へ交換して使う方法もありますよ。
セキュリティ

ANA Xは主にマイレージサービスに関する事業を運営しており、ANAカードを始めとしたフィナンシャル事業も行っています。また、ANA Payプリペイドカードには三井住友カードも関わっているらしく、サービスとしての信頼性は高いと言えますね。
ANA Payプリペイドカードでは端末のロック機能が利用可能で、設定するとマイレージアプリからANA Payを起動する際に暗証番号又は生体認証が求められます。こちらは端末の紛失時に決済情報の流出を防ぐことに繋がるので、サービスを利用する場合は必ず設定しておきましょう。

ANA Payプリペイドカードを一時停止したい場合、
専用フォームで運営へお問い合わせする必要があります。
もしANA Payプリペイドカードで不正利用が発生してしまった場合、その被害はANA Pay会員規約第25条によって補償されます。必要であれば管轄の警察組織に被害届を提出した上で、発生から60日以内に所定の申請を行いましょう。
ANA Payプリペイドカードの使い方

ANA Payプリペイドカードはキャンペーンこそ時々開催される様子ですが、ポイントアップ店のような優待サービスは基本的にありません。よりお得にカードを利用したい場合、まずはキャッシュ残高へのチャージ方法を工夫してみましょう。
チャージでもマイルを貯めたい場合はANAカードを使っても良いですが、それ以外にはブランドプリペイドカードを経由してポイント二重取りを狙う方法もお得です。現在では多くのカードがANA Payを利用不可又は還元対象外に指定していますが、Kyashカードであれば例外として規制が無い様子なので活用してくださいね。
Kyashカードを経由する大元のカードとしては、より還元率の高いものを利用したいところです。例えば、エポスゴールドカードは年間100万円以上の支払いで1万ポイントが付与されるので、通常のポイント還元と併せれば1.5%還元でチャージ出来ますよ。

学生の方がANA Payにチャージする場合は、
楽天銀行デビットカード等のデビットカードを活用しましょう。
ANA Payプリペイドカードを支払いに使う際は、「VISAのタッチ決済」の加盟店であればそのままスマホのタッチ機能で使いましょう。また、VISA以外の非接触決済も使えるお店やネット加盟店で使うのであれば、少々不安定ですがTOYOTA Walletへチャージすることも出来ますよ。
TOYOTA Walletは現在1%還元の特別施策を実施している上に、こちらへのチャージでもANAマイルはしっかりと還元される様子です。ポイント多重取りで更にお得に使いたい場合は、こちらのルートもお試しください。
ちなみに、TOYOTA Walletは更にモバイルSuicaアプリに登録可能で、こちらへのチャージでも1%還元を受けることが出来ます。よりお得な上に使えるお店自体も増えることになるので、興味があればこちらでも利用してみましょう。

Google Payの場合はANA Payのカード番号を直接ウォレットへ登録すれば、
そちらからモバイルSuicaへチャージすることも出来ますよ。
もしマイル残高を活用したい場合、マイル残高の利用も対象になるキャンペーンを狙うことも1つの手です。もしくは200円未満のちょっとした支払いが必要なとき等、元からANAマイルが還元されない場面で利用すると良いかもしれません。
ANA Payプリペイドカードの注意点

ANA Payプリペイドカードはお得に使える決済サービスであり、大手企業が関わるサービスなので一定の安心感もあります。ですが、こちらはユーザーの任意でカードを一時停止することが出来ないので、不正利用等には十分注意して利用しましょう。
アプリでは常に端末認証を設定しておき、不正利用が発覚した際には直ちに報告してカードを停止してもらいましょう。これらは不正利用補償の条件にもなっているので、サービスを利用する上で必ず覚えておいてくださいね。

その他の対策としてはそもそもチャージし過ぎないことや、
マイル残高が無ければそちらに切替えておくことも有効です。
また、こちらは航空会社関連の決済サービスでありながら、海外事務手数料は4.07%と高めに設定されています。これを海外で使うと損の方が大きくなるので、もし海外旅行等の用事があれば他の決済サービスを利用した方が良いかもしれません。
まとめ
ANA PayプリペイドカードはANAマイルを貯めたい場合の他、ポイントの多重取りで還元率を高めたい場合にも重宝するサービスです。現時点ではTOYOTA Walletとの組み合わせも強力なので、他の決済サービスとの組み合わせで活用して行きましょう。
ANA Payはリニューアルされたばかりのサービスであり、これから様々な機能強化が予定されています。例えば、2023年の秋頃には従来のようなコード決済も開始されるらしいので、今後の展開にも期待したいですね。
ANA Payに興味がある方は、まずは公式サイトをチェックしてみましょう。

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