旅行等で飛行機をよく利用される方にとって、マイレージサービスはかなり重要ですよね。マイルはブランドカードの利用でも貯めることが可能であり、日常生活でマイルを貯めている方は「陸マイラー」として知られています。
そのようなカードではブランドプリペイドカードも提供されており、ANA VISAプリペイドカードもその1つです。こちらのカードは中学生でも使えるサービスなので、家族でマイルを貯めている方は活用してくださいね。
今回は、ANA VISAプリペイドカードについて考察していきましょう。
目次
ANA VISAプリペイドカードの概要
ANA VISAプリペイドカードとは、全日本空輸の提供によって三井住友カードが発行するブランドプリペイドカードサービスのことです。事前にチャージした残高を利用して、VISAブランドによる決済が可能となっていますね。
通常カードの発行については、満15歳以上且つ日本在住の方であれば誰でも申込可能でした。また、発行にはANAマイレージクラブの会員番号が必要ですが、もし会員でなかった場合でも発行と同時に会員登録を行うことも出来ました。
ただし、ANA VISAプリペイドカードについては2023年9月30日をもって新規発行が終了となりました。合わせて2024年10月からはサービス自体も段階的に終了される予定となっているので、カードを発行している方はそちらの情報もチェックしておきましょう。
カードの色は3種類から選択可能ですが、
基本的なデザインは共通ですね。
まずは、ANA VISAプリペイドカードの基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | 三井住友カード | |
提携会社 | 全日本空輸 | |
ブランド | VISA | |
電子マネー | - | |
ICカード | - | |
発行手数料 | 186円+税 | 無料対応有り |
発行送料 | 408円+税 | |
年会費 | 無料 | |
為替手数料 | 税込3.05% | |
残高上限 | 30万円 | |
残高有効期限 | カードが更新されない時 | カード有効期限の1年前から 前月25日の間で残高の変動無し |
チャージ方法 | VISA | 500円以上1円単位 1回10万円まで 1日30万円まで |
Mastercard | ||
ネットバンキング | ||
コンビニ店頭 | ||
チャージ手数料 | 無料 | VJAグループの発行カード |
186円+税 | ||
還元率 | 1,000円につき5マイル | 月の合計額から算定 |
還元方法 | ANAマイレージ | 月間15,000マイルまで |
3Dセキュア | パスワード認証 | |
セキュリティ | 決済一時停止/再開設定 | |
補償 | 不正利用補償 | 発生から60日以内且つ 発覚から30日以内の申請 |
優待 | - |
カードの各種設定やチャージ申請等が必要なときは、会員専用のウェブサービス「マイページ」にアクセスして行います。決済時に用いる暗証番号の設定もこちらから行うので、もしカードを発行する場合は必ずチェックしましょう。
こちらではカードアプリ等が提供されていないので、
ブラウザのブックマークやショートカットを作成しておきましょう。
貯めたANAマイルを確認したい場合は、マイページではなく「ANAマイレージクラブ」をチェックしてください。マイルの利用も基本的にはこちらから行う他、キャンペーンが開催されていることも時々ありますよ。
チャージ限定型
ANAカード(VISA/Mastercard)を発行している方は、お子様に対してチャージ限定型というタイプのカードを発行することが可能です。通常カード(オールチャージ型)とほぼ同じ機能を持っていますが、一部のサービス内容は異なっています。
チャージ限定型カードは、発行申請時に登録した親権者のANAカードでのみチャージ可能です。また、ANAマイレージクラブについては親権者の子会員としてANAカードファミリーマイルに加入します。
チャージ限定型カードは、13歳から発行可能となっています。
中学生からマイルを貯め始めたい場合には重宝しそうですね。
それ以外の規約については、オールチャージ型との差異は特にありません。もしお子様にカードを持たせたい場合は、こちらの発行を検討しても良いかもしれませんね。
ANAマイレージ
ANAマイレージとは、全日本空輸が提供しているポイントサービスのことです。主にANAの航空機を利用した際にマイルが貯まりますが、ANA VISAプリペイドカードを利用した際にも還元対象となっています。
ANAマイルも他社マイレージサービスと同様に、航空券に交換した際のレートが優遇されています。通常の購入方法と比べて非常にお得なので、よく旅行をされる方は貯めておきましょう。
ANAマイルには有効期限が設定されており、取得から36か月後の月末までに使わなければ失効します。ANAマイルはお得ではあるのですが、入手したマイルは期限前に使うようにしてくださいね。
期限内にマイルを使う目途が立たない場合は、
ANA SKYコインやANA Pay残高等に交換してみましょう。
ANA SKYコインは航空チケットの購入等で利用可能なサービスであり、1マイル=1コインとして交換出来ます。コインの有効期限は交換から12か月間と短めに設定されていますが、どうしてもマイルを使う機会が無い場合はこちらに交換するのも1つの手ですね。
ANA Payはリニューアルによってブランドプリペイドカードを中心としたサービスへと変わっており、こちらでも1マイル=1円としてチャージすることが出来ます。利用出来るお店の数はこちらの方が圧倒的に多いので、使いやすさを重視するのであればこちらを選択しましょう。
ANA JCBプリペイドカードとの差異
ANAのブランドプリペイドカードについては、JCBからもANA JCBプリペイドカードが発行されています。カードデザインは同じですが、発行元が異なるので申込の際には間違えないようにしてくださいね。
両者のカードはブランドが違うというだけに留まらず、細かなサービス内容にも様々な違いが見受けられます。カードとしての使い勝手もかなり異なるので、それらを考慮しながら比較してみましょう。
VISA | JCB | |
---|---|---|
発行会社 | 三井住友カード | ジェーシービー |
電子マネー | - | QUIC Pay(Google Pay) |
為替手数料 | 3.05% | 1.6% |
残高有効期限 | カードが更新されないとき | 最終利用から2年後の月末 |
チャージカード | VISA/Mastercard | JCB |
チャージ上限 | 1回十万円 | カードは1回4万9千円 |
銀行とコンビニは1回2万9千円 | ||
チャージ手数料 の有料範囲 | 186円+税 VJAグループ発行カード以外 | 100円+税 銀行とコンビニで1回1万円未満 |
還元対象 | ANAマイル | |
- | キャッシュバック | |
優待 | - | JCBカード優待の一部 |
チャージボーナス | - | 半年間のチャージ12万円で 180マイルまたは円 |
半年間のチャージ24万円で 360マイルまたは円 |
両者の機能で大きく異なるのが、コース選択の有無です。VISAの場合は還元方法としてANAマイルしか選択出来ませんが、JCBの場合は契約時にマイルコースとキャッシュバックコースの2コースから選択可能となっています。
JCBカードでキャッシュバックコースを選択した場合は、決済金額に対する還元方法が残高に変化します。還元率も月間200円につき1円と変化し、多少還元されやすくなっていますね。
それ以外にも差異はありますが、基本的にはJCBカードが高性能です。
お得な使い方をしたい場合は、JCBブランドでの発行をおススメします。
ANA JCBプリペイドカードについてはこちらで扱っているので、よろしければ併せてお読みください。
セキュリティ
発行元の三井住友カードは国内における代表的な決済企業の1つであり、こちらで発行されるブランドカードには強い信頼感があります。同社はブランドプリペイドカードにも力を入れており、より安心してカードを使えるはずです。
ANA VISAプリペイドカードを使わない期間がある場合は、マイページからカードの決済機能を一時停止することが可能です。不正利用が心配な方は、こちらの設定をこまめに使いましょう。
マイページは必要な場面で直ぐにアクセス出来ることが重要なので、
ブラウザのブックマークやホームアイコン等に登録しておきましょう。
もしそれでも不正利用が発生してしまった場合は、ANA VISAプリペイドカード会員規約第17条によって損害が補償されます。必要な方は管轄の警察組織に被害届を提出した上で、期間内に所定の申請を行いましょう。
ANA VISAプリペイドカードの使い方
ANA VISAプリペイドカードには「ANA JCBプリペイドカード」という選択肢が存在する他、最近リニューアルされた「ANA Pay」も強力なライバルですね。特に後者はANA VISAプリペイドカードの上位互換と言っても過言ではない性能を持っているので、現在では敢えてこちらを利用する必然性が薄くなっているのが正直なところです。
それでもANA VISAプリペイドカードを利用したいのであれば、チャージ方法の選択は必須となりそうですね。一部を除いたブランドカードではチャージ手数料が発生する仕様なので、何も考えず使っていると損をする結果にも繋がりかねません。
VJAグループ発行のカードではチャージ手数料が発生しませんが、
ほとんどのカードでは還元対象外となっているようですね。
カードチャージでもANAマイルを貯めたいといった拘りが無ければ、Amazon Mastercardを利用することも考えてみましょう。こちらは三井住友カードの発行カードでありながらAmazonポイントが還元対象になっているので、チャージ手数料無料とポイント還元が両立出来る様子です。
ANA VISAプリペイドカードの注意点
ANA VISAプリペイドカードで注意しなければならないことは、大きく分けると2つです。もしカードの発行をお考えの方は、必ず覚えておきましょう。
決済サービスとの相性が悪い
三井住友プリペイドカード全体の特徴として、決済サービスでの利用に強い制限が課せられていることが挙げられます。電子マネーや他のブランドプリペイドカードへのチャージは勿論として、ウォレットサービスやコード決済には使えません。
ANA VISAプリペイドカードもこの例に漏れず、コード決済ではまず利用することが出来ません。カード自体にも電子マネーは付帯していないので、実店舗ではVISAによるカード決済が基本になりそうですね。
公式にアナウンスが無いサービスには、
まず使えないと思った方が良いですね。
ただし、全ての決済サービスで利用不可能というわけではありません。中には規制にかからずそのまま利用可能なサービスもあるので、見つけた時はそちらを活用しましょう。
ICチップが付帯されていない
ANA VISAプリペイドカードにはICチップが付帯されていないため、実店舗での決済には磁気ストライプを用います。磁気カードではスキミング被害のリスクが大きいので、実店舗でカード決済を行う際は不安ですよね。
もし実店舗で利用する場合は、不正利用には常に警戒しなければなりません。チャージ金額を最低限にする、利用しないときは決済を一時停止するといった対策は必ず行いましょう。
三井住友プリペイドカードでは不正利用補償が制度化されていますが、
それを活かすためにはカード利用明細のこまめな確認が必要ですよ。
サービス終了について
2016年から提供されていたANA VISAプリペイドカードでしたが、こちらは2023年9月末で新規発行を終了します。現在発行されているカードについては当面の間利用出来ますが、いずれは段階的にサービスが終了される予定です。
ANA VISAプリペイドカードのサービス終了日程
- 2023年9月末日:新規発行終了
- 2024年9月末日:チャージ受付終了
- 2025年3月末日:決済機能の終了
- 2025年4月1日~同年6月末日:残高の払戻し受付期間(予定)
ANA VISAプリペイドカードはICチップが付帯されていないことを始めとして、ブランドカードとしては前時代的な仕様が目立ちます。その上でANA JCBプリペイドカードがより便利であったことや、ほぼ上位互換とも言えるANA Payプリペイドカードが登場したことであまり使われなくなっていました。
Apple PayやGoogle Payにも対応しておらず、
安全性に少々不安のあるサービスとなっていましたね。
それらの要素を考えてみると、サービス終了が予定されていることは必然的と言えるのかもしれません。ANA JCBプリペイドカードやANA Payプリペイドカードのサービスに影響は無いので、今後はそちらを活用しましょう。
まとめ
ANA VISAプリペイドカードは、ANAマイルを貯めるカードとしては少々使いにくさを感じます。マイルが貯まるのでカード単体として見るとお得なのですが、他の有効な決済手段がどうしても目に付いてしまいますよね。
現在でもカードを利用することは出来ますが、今後はサービス自体の終了が予定されています。少々寂しい気もしますが、今後は他のサービスを中心に利用しましょうね。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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