一口にキャッシュレス決済と言っても、その決済方式は様々です。ブランドカードは現在広く使われている決済手段ですが、近年ではブランドプリペイドカードが登場したことでより身近な存在へと変わりましたね。
ブランドプリペイドカードは様々な形態で提供されていますが、中には家計簿機能を持って発行されているものも存在します。B/43カードは費用管理に便利なカードなので、様々な場面で便利に使えそうですね。
今回は、B/43カードについて考察していきましょう。
目次
サービス概要
B/43カードとは、株式会社スマートバンクが提供するブランドプリペイドカードのことです。事前にチャージした残高を利用して、VISAブランドを用いた決済が可能となるサービスですね。
ちなみに、サービス名称の読み方は「ビーヨンサン」です。
BはBudget(予算)のことで、43は資産のダジャレらしいですね。
B/43はスマホアプリ(iPhone版/Android版)として提供されており、家計簿機能と共にカードを利用することになります。アプリは日本在住の方であれば誰でも登録可能ですが、未成年者の場合は親権者の同意が必要です。
まずは、B/43カードの基本的なサービス概要を見て行きましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | スマートバンク | |
国際ブランド | VISA | |
ICカード | 有り | 任意で選択 |
電子マネー | NFC Pay | ICカード |
発行手数料 | 300円 | 通常カード |
新規発行は無料 | ||
900円 | ICカード | |
新規発行では500円の特別施策中 | ||
年会費 | 無料 | |
残高上限 | 100万円 | 日間入金上限も同様 |
残高有効期限 | 残高の最終変動から5年間 | |
為替手数料 | 税込4.5% | |
チャージ方法 | コンビニ | 出金可能 |
セブン銀行ATM | ||
Pay-easy | ||
銀行口座振込 | ||
ブランドカード | VISA | |
Mastercard | ||
JCB | ||
American Express | ||
チャージ手数料 | 無料 | |
出金手数料 | 200円+税 | |
還元率 | – | |
3Dセキュア | SMS認証 | ワンタイムパスワード 利用時に何れかを選択 |
メール認証 | ||
アプリ認証 | ||
セキュリティ | 決済一時停止/再開設定 | |
補償 | 不正利用補償 | 被害から30日以内の申請 |
1原因毎に10万円まで | ||
優待 | – |
B/43カードのチャージや各種申請・設定等は勿論アプリ上で行うので、利用する場合はスマホ画面のアイコンを整頓しておきましょう。また、サービス上の各種手数料は残高からの差し引きにより支払われるので、カード発行等でそれらが発生する場合には事前に残高を入金してくださいね。
アプリでは利用目的毎に残高を分割管理する「ポケット」機能等、
支払いの上でも便利に使えそうな機能が提供されていますね。
B/43カードはVISA加盟店であれば利用可能ですが、一部定期契約・一部公共料金・ホテル・ガソリンスタンド・高速道路・機内販売には利用出来ません。各種決済サービスへのチャージも出来ない他、ブランドプリペイドカード自体を拒否している加盟店でも利用出来ないので覚えておきましょう。
登録と本人確認について
B/43の利用には登録が必要ですが、その際にはサービスの用途やカードの種類に関わらず本人確認が必要となります。スマホを用いて発行者の顔と本人確認書類の撮影を行うので、登録時にはそちらの準備もしておきましょう。
本人確認書類として利用可能なものは、運転免許証及び運転経歴証明書・マイナンバーカード・日本国のパスポート・在留カード及び特別永住者証明書です。撮影後は運営によって確認が行われ、数日後にカードが送られますよ。
学生の方であれば使える本人確認書類が限られますが、
その場合はマイナンバーカードを利用しましょう。
また、B/43ではお友達紹介制度が用意されており、利用すると紹介者(既存ユーザー)と新規登録者の双方に300円分の残高がプレゼントされます。制度では紹介者側の紹介用URLを経由して登録するか、又は紹介者側の紹介コードを登録の最後に入力した上で、登録者が1,000円分の残高をチャージすれば参加完了です。
普通に登録するよりもかなりお得なので、身近な方が既にB/43カードを利用していれば紹介してもらいましょう。また、もし身近にB/43を利用したい方がいれば、せひご自身の紹介コードを教えてあげてくださいね。
もし身近な方に紹介を頼みにくいという方であれば、
よろしければ私の紹介URL又は紹介コード「WEKHMP」を使ってくださいね。
チャージ方法
B/43カードのチャージ方法としては、主にコンビニ店頭・セブン銀行ATM・銀行口座・Pay-easy・口座振込・3Dセキュア対応のブランドカードが用意されています。カードの利用方法等個人の使い方に合わせて、お好きな入金方法を選択しましょう。
ブランドカードからチャージする場合、国際ブランドとしてはVISA・Mastercard・JCB・American Expressが利用可能です。幅広いカードがチャージに使えて便利なことは勿論として、様々な国際ブランドを疑似的にVISAへ変換したい場合にも重宝しそうですね。
お得なチャージを狙いたい場合は、
ブランドカードを利用しましょう。
銀行口座振込でチャージする場合は、B/43で用意された入金用口座宛に振込みを行えば完了します。この時に使われる入金用口座はGMOあおぞらネット銀行のものなので、同じGMOあおぞらネット銀行を利用すれば振込手数料の無料化が可能ですよ。
ちなみに、コンビニ店頭での入金方法としてはセブンイレブンを利用することが出来ません。nanacoを利用したお得なチャージを考えていた方は、諦めてブランドカードを利用しましょう。
ポケット
ポケットとは、B/43の残高を分割して管理する機能のことです。ポケットは決済に利用するメインポケットが1つ設定される他、それに加えて3つまで自由に作成可能となっています。
メインポケット以外に振り分けられた残高は、決済に利用することが出来ません。支払いを行う際に残高をメインポケットへ移す必要があるため、利用目的毎の支出を把握しやすくなりますね。
メインポケットに残高が無ければ支払いが行われないため、
チャージし過ぎた場合の不正利用対策としても使えますね。
ペア口座
ペア口座とは、2人のユーザーで共同管理する特別な口座のことです。ペア口座と通常の口座間では残高の振替を自由に行うことが可能なので、夫婦間で生活費を管理する場合には便利ですね。
ペア口座を作成するには、一方のユーザーが表示したQRコードをもう一方が読み取ることが必要です。この内、コードを表示した側が「メインの所有者」となり、残高に関する法的な地位を持つことになっています。
ペア口座を解約した際の残高はメインの所有者に移りますが、
逆に残高がマイナスになった場合は返済義務を負います。
また、ペア口座では「ペア口座専用カード」という緑色の特別デザインカードが用意されており、口座を作成した際に2人分が発行されます。こちらはペア口座によって残高が共有されたカードなので、生活費の支出管理が更に楽になりそうですね。
ジュニアカード
B/43カードではジュニアカードというサービスも用意されており、親権者が管理可能なお子様用のカード(青色)を発行することが出来ます。18歳未満の被扶養者がいる場合が対象となり、カード自体はICカードと同様の手数料と機能で提供されていますね。
ジュニアカードは親権者側のアプリからのみチャージ可能であり、カードが使われた際の履歴も簡単に確認することが出来ます。いざという時には親権者側のアプリから一時停止することも出来るので、お子様のキャッシュレス決済教育に丁度良いですね。
お子様側もアプリから残高等のチェックが出来ますが、
カードを使うだけであればアプリが無くても大丈夫です。
ジュニアカードを発行する場合は親権者からの申請が必要で、アプリに登録した上で本人確認を済ませていれば可能です。お子様に関してはいくつかの個人情報を入力する必要がありますが、本人確認までは必要ありません。
また、現在ジュニアカードは会費無料で使えますが、将来的には月額料金を設定する予定になっています。2023年度中に実施予定の機能強化に合わせて有料化するそうなので、もしジュニアカードを利用する場合はそちらの情報を逃さずチェックしましょう。
B/43プラス
B/43プラスとは、B/43のサービスにおける有料プランのことです。月額480円又は年間4,800円で様々な特典や機能強化を受けることが出来るので、興味があればこちらもチェックしておきましょう。
B/43プラスの特典・機能強化
- 2種類の特別デザインICカードが発行可能
- ポケットの作成可能数が3から10に増加
- 明細機能の拡張及びCSV出力への対応
ペアカードやジュニアカードを契約している場合、
そちらのユーザーも全て特典の対象となります。
B/43プラスの明細機能では独自の予算・支出カテゴリの作成、アップロード画像の明細への添付、1年以上前のデータ閲覧が可能となります。更には1つの決済履歴をカテゴリ毎に細分化する機能も追加されるので、活用すれば更に正確な家計管理が出来るようになりますね。
また、B/43プラスの新規申込者にはICカードの発行が1枚無料となる特典も用意されています。これは特別デザインカードの発行に使えるだけでなく、ペアカードやジュニアカードの新規発行・再発行にも使えるそうです。
初回申込から2か月未満の解約では月額1か月分が違約金として発生するので、
カードを安く発行するためだけに契約しよう……なんて思わないでくださいね。
B/43プラスは最初の申込日が月間の区切りとなるので、月額料金に必要な残高もそちらに合わせて用意しましょう。ちなみに、月額料金の支払いには期日後7日間の猶予が設けられている様子なので、残高不足等で支払いが失敗した場合でも慌てなくても大丈夫ですよ。
セキュリティ
B/43カードでは決済の一時停止設定が可能であり、設定しておけばどのような場合でも支払いが行われません。不正利用を未然に防ぐ方法としてはかなり効果的なので、カードを利用していないときは必ず設定しておきましょう。
現在発行可能な新カードであれば、
セキュリティもそれなりに高そうですね。
もし不正利用に遭ってしまった場合には、B/43利用規約第31条によって損害が補償されます。必要になった際は管轄の警察組織に被害届を提出した上で、30日以内に所定の方法で申請しましょう。
カードが紛失・盗難や不正利用等に遭った際、必要な手続きを済ませた後はカードの再発行も行いましょう。再発行時にも発行手数料が発生しますが、通常カードでも300円の手数料が必要なことを覚えておいてくださいね。
B/43カードの使い方
B/43カードには家計簿アプリとしての機能が付いていますが、基本的なサービスとしてはかなりシンプルです。現在では3Dセキュア認証にも対応しているため、無料発行が可能なカードとしては使える場面が多くて重宝するはずです。
特典が少ないブランドプリペイドカードを有効活用する場合、
チャージ方法の工夫は必須と言えますね。
B/43カードをお得に使いたい場合は、より還元率の高いブランドカードでチャージしましょう。その際にはブランドプリペイドカードを中継出来れば還元率の上乗せも可能ですが、例えば現在ではIDAREカードでチャージ出来ることが確認されています。
IDAREカードはチャージ残高に応じたボーナスが付与されますが、そのために残高を積み立てると不正利用の被害が大きくなる危険性もあります。その危険性を回避しつつ特典を活用したい場合、一度B/43を経由してから支払いに使う方法はかなり有効ですよ。
B/43はIDAREと比べてリアルカードの発行手数料を安く抑えることも出来ますが、
ICチップの無い通常カードでは使い方の工夫も必要となります。
通常カードをより安全に利用したい場合は、実店舗決済でコード決済アプリを使うことも有効です。3Dセキュア認証は通常カードでも利用可能ということなので、PayPay以外でも使えるかもしれませんね。
B/43カードはブランドプリペイドカードであるが故に支払いの制限がありますが、サブスクリプションサービスには対応している様子です。また、現在ではソフトバンク等一部のスマホ料金にも対応していることが確認されているので、それらをよりお得に支払いたい場合は活用してみましょう。
B/43カードの注意点
海外では使いにくい
B/43カードにはICチップが付帯しておらず、そのまま利用するとスキミングによる情報流出が発生しやすくなってしまいます。日本国内であれば被害に遭うことは少ないですが、海外で利用する場合には特に注意が必要です。
また、B/43カードでは為替換算時の手数料が4.5%とかなり高額に設定されています。このカードを海外での支払いに利用するメリットは全く無いので、もし海外加盟店での支払いが必要であれば他のカードを用意しましょう。
ブランドカードの為替手数料は2%前後のものが多く、
4.5%は全体で見てもトップレベルで高額です。
不正利用補償が弱い
B/43カードでは不正利用補償が制度化されており、被害金額は利用者に返還されます。ただし、申請を被害の発生から30日以内に行わなければならないことを始めとして、その補償範囲はかなり狭いので注意が必要です。
こちらの不正利用補償では上限が設定されており、不正利用の1原因毎に10万円までとされています。もし同じ流出原因で何度も不正利用が発生した場合、その被害が大きければ補償されないこともあるので覚えておきましょう。
アプリではこまめに決済一時停止を設定する以外にも、
チャージ金額を最小限に留める等の工夫が必要ですね。
また、こちらは特殊な事例ではあるのですが、補償はB/43アプリの利用端末に携帯電話番号の契約が無ければ利用出来ません。もしアプリを旧端末やWi-Fi用タブレット等でご利用されている場合は、必ず新端末に移行してくださいね。
使ってはいけない「あとばらいチャージ」
あとばらいチャージとは、株式会社セブン銀行との提携によって提供されているキャッシングサービスのことです。会社側の支出で残高へのチャージが行われ、ユーザーは翌月末までにチャージ金額と手数料を合わせて返済しなければなりません。
通常のキャッシングサービスでは年利によって利子が計算されますが、こちらは手数料として一括で支払わなければなりません。実質的な年利が非常に高くなる提供方法であるため、絶対に使ってはいけません。
例えば3,000円を1週間借りて500円の手数料と共に返済した場合、
その実質的な年利は最大約870%にも上ってしまいますよ。
後払いとは銘打っていますが、実態は借金であり返済期限が過ぎれば違約金が発生します。場合によっては裁判や取り立ても有り得るので、家計を気にするのであれば絶対に使わないでくださいね。
同様のキャッシングサービスについてはこちらでも解説しているので、よろしければ参考にしてくださいね。
これからのB/43カードに期待すること
B/43カードは比較的シンプルなサービスであり、お買い物等では何かと使いやすいはずです。チャージ方法によってはお得に使うことも可能ですが、サービスとしてはカード自体の使いやすさを強化する方向で進化して欲しいですね。
現在のB/43カードではICチップの付帯したカードが発行された上に、無料発行可能な通常カードを選択することも可能です。更にはどちらにも3Dセキュア認証に対応しているので、かなり魅力のあるカードへと変化しました。
ただ、B/43カードではApple PayやGoogle Payで未対応のままとなっており、実店舗での支払いでは使いにくさを感じることも少なくありません。これからカードの機能強化を図るのであれば、こちらへの対応をぜひお願いしたいところですね。
最近ではバーチャルカードだけで十分に使えるサービスも増えているので、
B/43カードでもそのような変化があることに期待したいですね。
また、現在提供されている「あとばらいチャージ」に関してはすぐにでもサービスを終了して欲しいです。B/43は家計を助けるためのサービスとして提供されているのに、暴利のキャッシングを行っているなんて洒落になりませんよね。
まとめ
B/43カードは比較的シンプルなサービスであり、お買い物等では手軽に使えますね。チャージ方法を工夫すればお得に使うことも可能なので、生活の様々な場面で活用して行きましょう。
よりカードをお得に使いたい場合は、チャージ用カードも高還元のものを使いましょう。ただし安全性には少々難のあるカードでもあるので、可能な対策をした上で利用してくださいね。
また、B/43は家計簿アプリとしての側面もあり、生活費を管理する上で便利な機能も提供されています。こちらの機能も便利に使えるので、用途に合わせてカードを使いましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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