2021年10月からウォレットサービスのドコモ口座はd払いに統合され、d払い残高として再スタートしています。基本的にd払いアプリからアクセスする他、統合に伴って廃止された機能もいくつかありますね。
d払い残高はd払いで利用することは勿論として、ドコモユーザーであれば様々なサービスでも利用可能となっています。それらには便利なサービスも多いので、ドコモ回線を利用している方はチェックしておきたいですね。
今回は、d払い残高について考察していきましょう。
目次
サービス概要
d払い残高とは、NTTドコモが提供するウォレットサービスのことです。事前にチャージした残高を利用して、d払いでの決済や送金等に利用可能となっています。
d払い残高の利用にはd払いアプリが必要であり、dアカウントの個人アカウントを取得出来れば誰でも登録することが可能です。ただし、一部機能には年齢制限が課せられていることを覚えておきましょう。

大元であるドコモ口座は2011年から提供されており、
ウォレットサービスとしては意外と古株ですね。
d払い残高の利用を辞めたい場合は、アプリのアカウントタブから「d払い残高各種設定・解約」を選択してください。もし残高が残っていた場合は、本人確認済みであれば返金申請も可能ですよ。
まずは、d払い残高についての基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
提供会社 | NTTドコモ | |
年会費 | 無料 | |
残高上限 | 100万円 | |
残高有効期限 | 無期限 | 現金バリュー |
最終変動から5年間で 解約の可能性有 | ||
最終変動から4年間 | プリペイドバリュー | |
チャージ方法 | 銀行口座 | 1,000円から |
オートチャージ可 (3,000円から) | ||
セブン銀行ATM | 1,000円から | |
チャージ上限 | 日間10万円まで | |
月間20万円まで | ||
チャージ手数料 | 無料 | |
送金上限 | 月間20万円まで | |
受取上限 | 月間20万円まで | 連携サービスからの 受取りは無制限 |
出金方法 | 銀行口座振込 | 1回2万円まで |
セブン銀行ATM | 1回10万円まで | |
ドコモユーザーのみ | ||
出金手数料 | 100円+税 | みずほ銀行口座 月1回目の場合 |
200円+税 | ||
補償 | 不正利用補償 | 発生から90日以内の被害について 知った日から30日以内に申請する |
d払い残高はドコモ回線契約者に対する特別な制限があり、利用にはspモード契約又はahamoプランの契約が必要です。また、d払い残高の機能を全て利用するためには本人確認が必要ですが、契約時に顔写真付きの本人確認書類を用いた場合は回線情報からの確認が可能となっています。

フィーチャーフォンでiモードを利用されている方の場合は、
お使いのdアカウントではd払い残高を使うことが出来ません。
d払い残高の設定や管理はd払いアプリから行いますが、残高の確認や一部設定等はd払いのウェブ利用明細からでも可能です。d払い残高では基本的に残高の分類が存在しませんが、マイナポイントを受け取るためにチャージした分は送金や出金が出来ないようになっています。
ウォレットの区分

d払い残高は本人確認の状況に応じた2種類の区分があり、それぞれ「プリペイドバリュー」と「現金バリュー」に分類されています。区分によってサービス内容に違いが出て来るので、d払い残高を利用する前に確認しておきましょう。

あくまでアカウント上の区分であり、
残高自体の区分ではありません。
プリペイドバリューは本人確認が済んでいないアカウントであり、残高の有効期限は4年間です。送金や出金が出来ずチャージ方法も限られていますが、送金の受け取りについては可能となっています。
現金バリューは本人確認を済ませたアカウントの区分であり、残高の有効期限はありません。銀行口座チャージ・送金・出金等も使えるようになるため、特に理由が無ければ本人確認をしておきましょう。
本人確認ではアプリを利用したオンライン手続きが可能であり、不備が無ければ手続きから数日で完了します。方法としては本人確認書類と顔写真を撮影する他に、マイナンバーカードの読み取りによる「かんたん本人確認」も利用出来ますよ。
チャージ方法

d払い残高へのチャージ方法としては、主にセブン銀行ATM又は銀行口座が用意されています。チャージはd払いアプリの「ホーム」タブから申請可能であり、主な機能から「チャージ」を選択してくださいね。
銀行口座からのチャージを行うためには、d払い残高での本人確認が必要です。予め登録された口座から都度にチャージ出来る他、銀行口座によるオートチャージ設定(残高が設定を下回った時、指定額を自動入金する設定)も可能ですよ。
即時振替の対応銀行では既定のメンテナンス期間では使えなくなる他、一部金融機関は本人確認の都合で新規登録や入金が停止されています。現在利用可能な銀行はホームページから確認可能なので、必要な方は対応銀行の口座開設をご検討ください。

d払い残高に登録する銀行口座として、ゆうちょ銀行はおススメしません。
登録解除時には銀行窓口へ出向いて所定の書類を提出する手間がかかるからです。
また、三菱UFJ銀行のdスマートバンクではd払い残高に関する特典が用意されており、チャージに利用することで期間・用途限定のdポイントが貰えます。月間5,000円以上のチャージとd払いで5,000円以上の残高払いがあれば対象となり、ポイント数はdポイントクラブの会員ランクによって決まります。
dスマートバンクでのポイント還元(月間1回)
- 1つ星:還元無し
- 2つ星:10ポイント
- 3つ星:20ポイント
- 4つ星:50ポイント
- 5つ星:100ポイント
d払い

d払いはNTTドコモが提供する決済サービスのことであり、主にコード決済やアカウント情報を利用したネット上の決済が可能です。現在のd払い残高はこちらの残高機能として提供されており、支払いの引落し先として利用出来ます。
d払いの随時決済に該当する加盟店でd払い残高を使いたい場合は、予めd払い残高の利用設定が必要です。利用設定は公式サイトのフッターメニューから、「ご利用明細」のページ下部をチェックしましょう。
大手ECサイトのAmazonでも随時決済としてd払いが利用出来ますが、こちらの設定にはドコモ回線の契約が必要になっています。基本的には電話料金合算による支払いが必要ですが、こちらにd払い残高を充当すればより便利にお買い物が出来ますよ。

d払いによる決済でd払い残高を利用するメリットとしては、
d払いの各種キャンペーンに参加可能なことが挙げられます。
また、d払いをAndroid端末で利用している場合、おサイフケータイ機能から電子マネーiDで支払いが出来る「d払いタッチ」が利用可能です。こちらを利用するとVISAプリペイドの「d払いバーチャルカード」も同時に発行されるので、それらを併せると支払いで使える場面が大きく広がるはずです。
d払いで開催されている大抵のキャンペーンでは、dポイント又はdカード以外のブランドカードを引落し先として指定すると参加出来ないようになっています。dカードプリペイドでも参加出来ないため、dカードを契約していない方がキャンペーンに参加したい場合もd払い残高が必要ですね。
送金

d払い残高で本人確認を済ませていた場合、d払いユーザー間での送金サービスも利用可能です。送金はd払いアプリの「ホーム」タブから申請可能であり、方法としては宛先指定・QRコード読み取り・送金リンクに対応していますね。
宛先指定によって送金を行う場合、d払い残高に設定されたd払い番号を指定します。相手がドコモ回線で電話番号を契約していた場合は、加えて電話番号による指定も可能です。

d払い番号は「アカウント」タブから確認可能であり、
13桁の番号をそのまま入力すれば大丈夫です。
QRコードを利用する場合は、受取人が「ホーム」タブの主な機能から「受け取る」を選択します。受取人が送金金額を指定した上でコードを読み取ってもらい、送金者が内容を確認すれば送金完了です。
送金用リンクを利用する場合、作成したURLをメール等で相手に送りましょう。リンクにはパスワードやメッセージ等の設定も可能なので、必要な方はそちらも利用してくださいね。
ドコモユーザー向けのサービス
d払い残高ではドコモ回線契約との関係が強く、ドコモユーザー限定のサービスが数多く提供されています。限定のサービスだけあって何かと便利なものも多いので、それらを1つずつチェックしてみましょう。

大元のドコモ口座自体が開始時点で回線契約が必須だったこともあり、
ドコモユーザー限定のサービスが多いことは必然とも言えそうですね。
ドコモ回線料金への充当

ドコモのスマホを利用している方は、d払い残高を携帯回線料金に充当することが出来ます。充当は1円単位で5万円まで設定可能であり、余った場合は最大24か月まで繰り越されます。
指定金額を充当依頼した後、次回の携帯料金引落しは充当金額から優先的に行われます。適用されるのは充当依頼時に未確定状態であった料金からなので、だいたい10日前後までに設定すれば当月分の支払い充当に間に合うかもしれません。

携帯料金に対する事実上のプリペイド決済が可能で、
余った残高の使い道としても重宝しますね。
他企業との連携

d払い残高ではドコモユーザーのみが企業からの送受金に対応しており、クラウドソーシングサイト等からの報酬受取口座としても利用可能です。ネット上でお小遣い稼ぎをしたい場合等、ネットのサービスをより利用しやすくなる仕組みを揃えていますね。

d払い残高で報酬受取が可能なサービスとしては、
「dジョブスマホワーク」等が挙げられますね。
また、以下に挙げる証券口座と連携し、口座残高への入金や出金に利用することも可能です。
提携証券口座
これによって、d払い残高を利用した投資資金の即時入出金が可能となっています。ウォレットサービスによって投資資金の管理が出来れば、場合によっては銀行口座よりも便利に使えそうですよね。
セキュリティ

d払いでは24時間体制でモニタリングが行われており、サービスの利用状況を常に監視しています。不正利用を検知した場合はサービス又はdアカウントが停止されるので、安心して利用可能ですね。
また、d払いアプリでは端末の生体認証を利用したロック機能にも対応しています。d払いはアプリが無ければ操作出来ないので、端末が紛失・盗難に遭った際も不正利用を防ぐことが可能です。
もしd払い残高が第三者に不正利用された場合、d払い残高補償制度により損害が補償されます。補償は被害から90日以内且つ知ってから30日以内であれば申請可能なので、管轄の警察機関へ被害届を提出した上で証拠書類(利用履歴等)と共に申請してください。

こちらと合わせて、d払い自体の不正利用補償(規約第17条)も用意されています。
内容はd払い残高の補償とほぼ同じであり、二重に補償されていて安心ですね。
d払い残高の使い方

d払い残高はd払い等の支払いに利用するサービスなので、よりお得に使いたい場合はチャージ方法を工夫する必要があります。よりお得にチャージすることが出来れば各種サービスもより使いやすくなるので、まずはその方法を考えてみましょう。
d払い残高ではコンビニ店頭によるチャージは廃止されているため、現在ではお得にチャージすることが難しくなっています。それでもお得にチャージしたい場合であれば、即時引落しで還元サービスが適用される銀行であれば可能性が残っていますよ。
即時引落しで還元サービスが適用される銀行としては、スルガ銀行Dバンク支店が候補に挙がりそうですね。また、d払いで毎月5,000円以上のお買い物をされる方であれば、三菱UFJ銀行のdスマートバンクも視野に入れましょう。

スルガ銀行Dバンク支店ではPayPay等も還元対象なので、
そちらで稼いでいる場合はd払い残高で使う必要がありません。
現在のドコモ回線では定期契約の新規受付を終了しており、回線料金の割引を適用するためにはdカードからの支払い設定が必要です。ですが、dカードではドコモ回線料金の支払いがポイント還元対象外となっているので、お得さに関しては少々不満に感じてしまいますよね。
d払い残高にはスマホ料金への充当機能があるので、dカードの割引と支払いによるポイント還元を両立することが可能です。Amazonでのお買い物等でも同じ方法が使えるので、ドコモユーザーの方であれば活用しましょう。
d払い残高の注意点

ドコモ回線の契約者がd払い残高を利用している場合、その契約はドコモ回線の契約状況と同期しています。もしドコモ回線契約の内容に変更があった場合は、d払い残高が解約されてしまうので注意しましょう。
これは回線の解約があった場合だけでなく、特定の利用者情報に更新があった場合も同様に解約となってしまいます。もし残高を多く保有した状態で解約されてしまった場合は、所定の返金申請を行いましょう。

ahamoプランに変更すると利用者情報が切替わり、
d払い残高が1度解約されるので注意しましょう。
もしahamoやirumoに変更したことで解約された場合、後日メールまたはSMSが届きます。そこから所定の手続きを行うことで、新アカウントへ残高移行が可能なので安心してください。
ちなみに、ドコモ回線契約者のd払い残高情報は電話番号情報に紐付けられています。そのため、ドコモ回線契約者がdポイントクラブを退会しても残高情報は残り続け、当該電話番号でdアカウントを再び作成すれば残高の再利用が可能ですよ。
これからのd払い残高に期待すること

d払い残高はサービス全体として見ると、ドコモユーザーにとって何かと便利なサービスを用意していますね。その反面、ドコモ回線契約者でなければ少々物足りないサービスであることも事実です。
ドコモユーザー以外にとってはd払いだけが使い道となっており、現状ではキャンペーン参加条件というデメリット解消以外での用途がありません。そのためd払いに利用した際のポイントアップ等の、d払い残高固有のメリットがあると嬉しいですね。
また、ドコモ口座から折角生まれ変わったのですから、スマホ回線契約との紐付けを弱くして欲しいですね。契約変更で解約されてしまうのは明確なデメリットなので、契約とは無関係に残高を維持出来るように対応をお願いしたいところです。
まとめ
d払い残高は基本的にはd払いで利用するウォレットサービスであり、d払いのキャンペーンに参加したい場合に利用されています。基本的なサービスとしては地味ですが、ドコモ回線契約者限定のサービスは便利なものが多いですね。
少々癖の強いサービスですが、投資サービスとの連携等は意外と便利なサービスですよね。これらはウォレットサービス全体で見ても光るものがあるので、これからのサービス展開にも期待を持っていきましょう。

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