従来は送金が必要なときに銀行が利用されて来ましたが、現在ではウォレットサービスを利用した個人間送金が普及しています。送金サービスは手軽さからよく利用されていますが、海外との取引が行いやすければ更に使いやすくなりそうですよね。
近年の日本では、イギリスから国際間での送金に強いサービスが進出しています。Revolutは送金以外でも先進的な機能が豊富に備わっているため、様々な場面で便利に使えますよ。
今回は、ウォレットサービスのRevolutについて考察していきましょう。
目次
サービス概要
Revolutとは、イギリスのフィンテック企業Revolutが提供するウォレットサービスのことです。アカウントに入金した残高を利用して、送金や支払いを行うサービスですね。
Revolutのアカウントを作るためには、日本における成年でなければならないので覚えておきましょう。また、Revolutは外貨の送金が可能なウォレットサービスであるため、登録にはマイナンバーカード又は通知カードが必要となるので用意してくださいね。
登録には携帯電話番号が必要な他、
本人確認として書類と顔の撮影も行います。
まずは、Revolutの基本的なサービスを見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
提供会社 | Revolut | |
会費 | 無料 | スタンダード |
月額税込980円 | プレミアム | |
月額税込1,980円 | メタル | |
決済手段 | ブランドカード | 日本はVISAブランドのみ |
チャージ方法 | ブランドカード | オートチャージ有り |
Apple Pay/Google Pay | 登録ブランドカード | |
銀行口座振込 | 入金専用口座 | |
口座即時入金 | ||
出金方法 | 海外カード対応のイオン銀行ATM | 銀行口座又はデビットカードの入金分 |
口座振込 | ||
チャージ手数料 | 無料 | |
1.3% | Mastercardプリペイド | |
1.7% | VISAクレジット・プリペイド | |
ATM出金手数料 | 2% | プラン毎の無料出金枠有 |
口座送金手数料 | 200円+税 | |
為替手数料 | 無料 | 平日の無料範囲 |
+1% | 休日 | |
+0.5% | スタンダード 月75万円分以上の両替 | |
貴金属取引手数料 | 1.5% | スタンダード |
+0.5% | スタンダード 月間75万円分以上の両替 | |
0.5% | 上位プラン | |
優待 | 航空ラウンジ | 上位プランのみ |
Revolutの操作は主にスマホアプリから行いますが、一部の機能はブラウザからも利用可能となっています。端末が一時的に使えない等、どうしても他のアクセス方法が必要な方はこちらをご活用ください。
アプリでは簡単にウォレットの確認や設定が出来るので、
基本的にはアプリからサービスを使ってくださいね。
ちなみに、Revolutのサービスではいくつかの月間上限が指定されていますが、ここで言う「月間」とは契約初日又はプラン変更日を末日とした期間のことです。Revolutでは月間の指す意味がユーザー毎に異なるので、登録した際には必ずチェックしておきましょう。
チャージ方法
Revolutのチャージ方法としては、主にブランドカード・銀行口座振込・口座即時入金が用意されています。ブランドカードであれば即時に入金可能ですが、口座振込の場合でも振込元口座の状況次第ですが数分で反映される様子ですね。
即時入金については現時点でみんなの銀行にのみ対応しており、設定はチャージ画面で方法として「銀行口座を登録して連携」を選択すると可能です。こちらは50万円以上のチャージで都度の認証が必要となる他、最後のチャージから90日間が経過すると一度連携が解除される(再連携可能)ので覚えておきましょう。
Revolutに登録すると入金用口座も自動で作成されるので、銀行口座からチャージしたい場合はこちらに振込みましょう。入金用口座の情報はユーザーアイコンや日本円ウォレットの詳細画面(残高右側の日の丸アイコン)に記載されているので、予めチェックしておきましょう。
入金用口座には楽天銀行のものが使われているため、
同じ楽天銀行口座であれば振込手数料が無料化出来ますね。
ブランドカードを用いてチャージする場合、VISA又はMastercardブランドが利用可能です。また、登録から1か月以上経過したカードであればオートチャージ設定も可能となっています。
Revolutでは入金方法によって残高が区別されており、銀行口座によって入金された金額については出金や送金が行えます。以前はデビットカード入金分も送金可能残高となりましたが、現在では仕様が変わって支払い専用となったようです。
現時点における出金・送金が可能な残高を知りたい場合は、
ホーム画面左上のユーザーアイコンから「上限」をタップしましょう。
Revolutへのチャージでは銀行口座やデビットカードが便利な一方、VISAブランドのクレジットカードやプリペイドカードを利用した場合はチャージ金額に対して1.7%分のチャージ手数料が発生します。Mastercardについてはクレジットカードでもチャージ手数料無料となりますが、プリペイドカードでは1.3%のチャージ手数料が発生するので覚えておきましょう。
また、海外発行カードやビジネスカードを使ってチャージした場合、カードの種類や国際ブランドに関わらず1.7%分のチャージ手数料が発生します。具体的な手数料金額はチャージの確認画面で表示されるので、気になる場合は毎回確認するようにしましょう。
現在ではApple PayやGoogle Payの登録カードを用いてチャージすることも可能ですが、その場合の利用可能なカードの種類や手数料体系等は通常のカードチャージと同様です。こちらであればアプリに未登録のカードからも簡単にチャージ出来るので、カードチャージが必要な場合で活用してみましょう。
ちなみに、Revolut残高がカード決済で使われる場合、ブランドカードから入金した残高分が支払い専用として優先的に使われるようです。カード決済と送金を並行で利用したい場合でも、安心して使ってくださいね。
プランについて
Revolutは複数のプランが提供されており、日本版においてはスタンダード・プレミアム・メタルの3種類から選択可能です。上位プランでは所定の契約料金が必要ですが、その分サービス提供条件が大きく優遇されますよ。
上位プランの料金は年額として支払うことも可能であり、
その場合は月額料金の2か月分が割引されますよ。
スタンダードは無料で利用可能なプランであり、基本的な機能はそのまま使えます。Revolutのサービスで適用される手数料無料上限の範囲は小さめに設定されていますが、サービスを使い倒すつもりでもない限りはこちらでも十分ですね。
プレミアムプランは月額980円で、各種サービスの手数料無料上限が優遇されます。更にユーザー+1名で航空ラウンジを無料で使える他、プレミアムプランの特別デザインカードの発行も可能ですね。
メタルプランでは月額1980円でプレミアムプランのサービスが更に拡充され、こちらでしか使えない追加サービスも用意されています。航空ラウンジ無料サービスはユーザー+3名に拡充される他、金属製の特別カードを発行することも可能です。
また、現在の上位プランでは他にも契約者特典が用意されており、提携している他社の有料サービスを追加料金無しで使うことが出来ます。
上位プランの追加特典
- Sleep Cycle:両プランでプレミアムサービス利用可
- Picsart:両プランでPicsart Pro(月額800円~1,300円分)利用可
- Tinder:プレミアムでPlus、メタルでGoldのサービスが利用可
- Nord VPN:プレミアムでスタンダードプラン(ベーシック月額500円~2,110円分)、メタルでプラスプラン(月額640円~2,270円分)のサービスが利用可能
- Financial Times:メタルでスタンダードデジタルプラン(月額5,800円分)利用可
- The Athletic:メタルでサブスク(月額6米ドル分)利用可
いくつかのサービスは日本向けにローカライズされていない様子ですが、それを除いて考えたとしても便利なものが多いですね。特に生成AIサービスのPicsartや定番VPNのNord VPN等であれば活用しやすいので、そちらを使う方にとってはそれだけで元が取れるかもしれません。
為替取引と手数料
Revolutでは世界各国の通貨を取扱っており、ウォレット内で外貨の所有が可能です。アカウント内の日本円残高を外貨に換えて保有し、それを送金や支払いに利用することも出来ますよ。
Revolutにおける休日の為替手数料は1%ですが、平日の為替手数料については無料サービスが用意されています。スタンダード会員の場合は月間75万円まで、プレミアムプラン・メタルプランの場合は無制限に適用されますよ。
Revolutにおける「休日」とは日本時間の土・日曜のことではなく、
ニューヨーク時間で指定された期間を指します。
ニューヨーク時間は時期によって基準が異なり、標準時(EST)としては日本時間で土曜午前7時から月曜午前8時までが休日です。一方で3月の第2日曜日午前2時から11月の第1日曜日午前2時までは夏時間(EDT)が適用され、日本時間で土曜午前6時から月曜午前7時までが休日となります。
また、Revolutで所有している外貨はそのままカード払いに使うことも可能です。もし休日に支払いが必要となった場合は、予め両替を済ませておくことでよりお得に支払いすることも出来ますね。
貴金属取引
Revolutでは投資商品の取扱いもあるサービスであり、残高を利用して貴金属への投資をすることが可能です。貴金属取引には所定の手数料が発生しますが、ウォレットサービス内で本格的な投資が出来る機能は斬新ですね。
こちらは外貨と違って平日の手数料無料枠は無く、スタンダードプランでは1.5%、上位プランでは0.5%の手数料がかかります。スタンダードプランの方が月間75万円以上の取引を行った場合は、0.5%の手数料が追加されることも覚えておいてくださいね。
ちなみに、スタンダードプランの手数料無料範囲は、
為替取引と貴金属取引で共有されているようです。
Revolutカード
Revolutでは専用のデビットカードが提供されており、残高からの引落しによってカード払いが行えます。リアルカードが使えることは勿論のこと、アプリ内でバーチャルカードを発行することも可能ですよ。
こちらのカードはNFC Payに対応しており、リアルカードやGoogle PayによってVISAのタッチ決済が使えます。更に3Dセキュア認証にも対応しているため用途が広く、不正利用補償もあるので安心して支払いに使えるカードですね。
Revolutカードはメタルプラン限定で還元サービスもあり、
お得にも使える非常に使い勝手の良いカードです。
Revolutカードについてはこちらで扱っているので、よろしければ併せてお読みください。
ATM出金機能
Revolutカードのリアルカードを発行している場合は、残高の一部をATMから出金することも可能です。出金可能な残高は銀行口座でチャージした分のみとなっており、申請は1,000円単位で対応しています。
ATM出金には海外カード対応のイオン銀行ATMが必要で、Revolutカードを使った現地通貨引出しの操作を行います。操作する画面の案内は基本的に英語表記なので、もし分かりにくい場合は以下の手順を参考にしてください。
必要な方は操作手順をメモしておき、
お財布に入れて活用してくださいね。
イオン銀行ATMの操作手順
- ATM画面の「International」をタッチ
- 「English」をタッチ
- リアルカードをATMに挿入する
- リアルカードの暗証番号を入力(忘れた場合はアプリから確認可能)
- 「Withdrawals」をタッチ
- 「Checking Account」をタッチ
- 出金金額を指定する
※途中で「Confirm」(確認)と「Cancel」(取消)が表示された際はConfirmをタッチ
出金手数料無料の月間上限はスタンダードプランで2万5,000円、プレミアムプランで5万円、メタルプランで10万円までとなっています。それらを超過した場合には2%の手数料が発生するので、上限以上に出金したい場合は送金機能も活用しましょう。
送金機能
Revolutではユーザー間で残高の送金が可能ですが、同じように国内銀行口座宛に送金を行うことも可能です。送金はアカウント画面の送金ボタンをタップして、送金先となる口座情報と金額を指定すれば完了です。
自己名義口座宛に送金しても大丈夫なので、
銀行口座によるチャージ残高が余っていれば出金も可能ですよ。
銀行口座宛の送金ではプラン毎に上限が設定されており、スタンダードで月間1回、プレミアムで月間3回、メタルで月間5回までとなっています。金額の上限は特に設定されておらず、無料回数を超えて送金する場合は1回200円+税の手数料が発生するようです。
セキュリティ
Revolutでは様々なセキュリティシステムが稼働しており、ウォレットの利用状況が常に監視されています。これによって残高の不正利用を防止し、より安全にサービスを使えるはずです。
また、アプリのログイン時には予め設定した暗証番号が求められますが、こちらは端末の生体認証システムを利用することが可能です。指紋認証によってよりアプリを安全に利用出来るだけでなく、ユーザーがよりスマートにアプリを起動出来るようになりますよ。
Revolutアプリの利用端末を移行する際は本人確認が必要なので、
アプリとしてのセキュリティは非常に高くて安心出来ますね。
もしRevolutで不正利用が発生した場合、その被害は個人利用条件第20条によって補償されます。必要であれば管轄の警察組織に被害届を提出した上で、発生から60日以内にアプリで所定の申請を行いましょう。
Revolutの使い方
ウォレットサービスとしてのRevolutは外貨の取扱いに優れているので、外貨送金等で必要があればまずはその用途で使うことを考えてみましょう。また、現在では上位プランで提携サービス特典も用意されるようになったので、人によってはそちらを目当てに登録しても良いかもしれませんね。
以前のRevolutではデビットカード入金分も送金・出金可能な残高として分類されましたが、現在では仕様が変わって支払いのみ利用可能となっています。これからRevolutをウォレットサービスとして利用する場合、入金方法は口座振込や即時入金に限られます。
銀行口座チャージに関するキャンペーンも時々開催されているので、
お得にカード払いしたい場合はそちらを狙っても良いかもしれません。
海外との取引では外貨換算が便利ですが、休日に送金をする場合は平日に予め両替しておくとお得です。海外との交流の他、個人輸入等を利用する場合に活用しましょう。
ATM出金は急な現金の出費が必要になった場合や、持っている銀行口座で使えるATMが近所に少ない場合等では重宝しそうですね。無料金額を把握しておく必要はあるのですが、覚えておくと便利な機能です。
Revolutの注意点
Revolutは便利なサービスですが、それには例外が付き物です。こちらは海外発のサービスでもあるので、文化的な面には注意が必要ですね。
日本語対応が不完全
Revolutは通常のサービス利用には問題ありませんが、一部機能説明の翻訳が不完全で分かりにくいことがあるので覚えておきましょう。アプリ上でも一部のヘルプが英語表記されていたり、翻訳がおかしいといった部分をよく目にします。
また、公式のコミュニティやお問い合わせを利用するためには英語が必要となっています。日本人にとっては言語の壁が非常に大きく、サポートを受けにくいことに注意しましょう。
お問い合わせは文章で行うので、
翻訳ソフトを上手に駆使すれば英語が出来なくても大丈夫ですよ。
Revolutのサービスを公式の説明だけで理解するのは難しいので、サービスを使いこなすためにはどうしても個人ブログやSNS等から情報収集をしなければなりません。そのため、Revolutを利用するためには情報の取捨選択が出来る能力も必要ですね。
当然のことですが、
当サイトの記載内容も鵜呑みにしないでくださいね。
上位プランには期間契約縛りがある
Revolutには有料の上位プランがあり、様々な特典によって優遇されていますね。ただし、上位プランには10か月の期間契約縛りが存在するため、契約の判断は慎重に行ってくださいね。
もし上位プランを月額契約から14日以上10か月以内に解約した場合、違約金として2か月分の料金を支払わなければなりません。サービスをどのように利用するかはユーザーの自由ですが、いずれにしてもある程度の計画性を持って契約するようにしてくださいね。
契約から14日までの早期解約であれば、
支払った料金の一部又は全部が返還されますよ。
また、もしメタルプランを早期解約する場合、金属製カードの発行申請を行った方は注意が必要です。カードが既に送付されている場合、カード代金として6,000円+送料が請求されてしまいますよ。
これからのRevolutに期待すること
Revolutはウォレットサービスとして最先端の機能を持ち、非常に使いやすいことは間違いありません。ただし、言語が原因で使いにくく感じることが多々あるため、やはり完全な日本語対応を1番にお願いしたいですね。
また、少しずつでも良いので元のサービスを日本版でも利用出来るようにしてもらえると嬉しいですね。特に残高から証券取引が出来るようになれば、オンリーワンなサービスとして重宝するはずです。
まとめ
Revolutは為替手数料無料サービスを始めとした、他にはない魅力をたくさん持つウォレットサービスです。特に為替手数料の無料サービスは便利で、海外との取引で活躍することは間違いありませんね。
また、Revolutは資産運用についても力の入ったサービスです。海外では既に証券取引が可能となっているようなので、投資に関するこれからの展開にも大いに期待が持てますよね。
また、Revolutは国内で使う場合にも非常に便利なサービスです。もしRevolutに興味のある方であれば、まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
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