日本郵便は国内のインフラを支えている企業であり、その業務に関しては法律の定めに則って運営されています。その中には郵便事業に関する犯罪についても規定されており、残念ながら逮捕者は後を絶ちません。
これらの多くは配達員によって起こされていますが、実は刑事事件化が難しいだけで郵便局内部でも発生しています。事件として表面化しないために改善も難しく、話題になることは無いですが深刻な問題と言えます。
筆者は以前、某地方都市の郵便局で内務職員として勤務していたことがありました。その中で非常に問題のある場面に何度も遭遇したことがあるので、公益性を重視してその一部を公開しようと思います。
今回は、日本郵便における郵便犯罪についてお話します。
はじめに
日本の郵便事業は2007年から民営化が行われ、現在は日本郵便株式会社として運営されています。ですが、その事業内容については郵便法で定められており、公共性の高いサービスを提供出来るようになっていますね。
郵便法の第五章(第76条~第92条)では郵便事業における罰則が定められており、日本郵便の従業員がこれに違反すれば刑事事件へと発展します。これらは局内でも度々注意喚起が行われていますが、完全に防ぐことは難しいようです。
郵便局ではパワハラやモラハラが横行しているので、
従業員が心神耗弱状態に陥りやすいことも発生の要因と言えます。
郵便犯罪については配達員が行ったものがよく例として挙がり、報道でも配達中に郵便物を捨ててしまう事件が多く取り上げられていますよね。お客様にとって大きな不利益をもたらすことなので、未然に防ぐためにも労働環境の改善は急務と言えます。
ただし、当然ですが郵便犯罪は配達中に限って発生するものではありません。局内で発生した分は発見と対処が比較的容易であるために、刑事事件として発展しにくいだけです。
特に部長クラスの社員は昇進の障害を取り除くためという理由で、
局内で事件が発生しても隠蔽してしまうので中々表面化しません。
それらには筆者も何度か遭遇しており、問題化する前に発見して事故を防いだことが何度もありました。今回は筆者が実際に見て来た中から、その実例をいくつかご紹介します。
未処理のゆうパックが発見された事例
この事例では、持ち戻りゆうパックの保管棚の中に、1回も配達していない分が紛れていたことが発見されました。当該小包の追跡情報を確認してみたところ、到着情報の入力すら行われていない未処理状態という有様です。
当該小包が某郵便局へ発送された時間を確認してみると、当日の深夜帯に到着しているはずのものでした。つまり、この事故を引き起こしたのは内務の深夜勤ということになりますね。
以前も取り扱った問題ですが、
日本郵便の深夜勤はまともな人員が非常に少ないです。
その状況から察するに、後から出て来た小包の処理を面倒臭がって、保管棚に隠匿してしまったようでした。更に性質が悪いのが、その小包の配達日時指定が午前中であったことです。
筆者が当該小包を発見した時点では午前10時頃だったので、集配部(配達員の部署)の課長と相談して何とか配達員の手配を間に合わせることが出来ました。ですが、少しでも発見が遅れれば配達時間に大きな遅延が出ていたはずです。
局留ゆうパックが隠匿された事例
この事例では、郵便部(内務担当の部署)で特殊な小包を処理する担当者が、作業台の奥に局留指定の小包を押し込んで放置していました。これの性質が悪いところは、当該担当者による小包の隠匿が常態化していたということです。
局留小包を処理する際は、追跡情報の入力以外にも帳簿への記入が必要となります。要するに、当該担当者は仕事をしたくないために小包を隠匿し、他の作業員に発見させる形で業務を押付けようとしているわけですね。
この人物については個人的な恨みもあるので、
要望が多ければどこかで公表するかもしれません。
そのため、某地方都市の郵便局では、窓口業務が開始された時点で局留小包の受取りが出来ないことがよく発生します。お客様への不利益が大きいので改善をしてほしいところですが、何度上司に報告しても対処されませんでした。
尤も、当該人物はバブル世代の男だったので、本人が縋り付かなければ年齢的に退職しているかもしれません。あらゆる不快を集めたような男だったので、むしろ退職していて欲しいですね。
料金収納不明な小包があった事例
この事例では、ある委託配達員が集荷した小包の中に、切手等の料金の支払いを示すものが無い小包が含まれていました。しかも、当該小包の荷送人の名義を見ると、集荷した委託配達員本人のものであることが確認出来ます。
日本郵便では配達業務を他社に下請けしていることがあり、
そちらはそちらで内務担当者への恫喝等をよく行っていて問題です。
何らかの手違いである可能性も残っていますが、状況としては「配達員がその立場を利用し、料金を支払わずに小包を送ろうとした」ように見えてしまいます。事実であれば大問題なので、当該小包については確認を行うこととしました。
当該小包で本当に料金の支払いがあるか否かを確認するためには、集配部と話をするのが手っ取り早く行えます。もしそれでも分からなかったとしても、状態が判明するまでは取扱いを保留することも出来ますよね。
しかし、実際に集配部の課長と話をしたところ、碌に確認を行わず「このまま送れ」と主張して来ます。それは出来ないと反論すると、その課長は郵便部の日付印を勝手に持ち出し、それを当該小包のラベルへ押印して「これで送れ」とまた主張しました。
「仕事は面倒だけど責任は取りたくない」、
これは日本郵便社員の基本的な思考回路です。
ですが、当該小包をそのまま取扱うわけには行かないので、筆者は上司へ報告した上で保留をすることにしました。その後どのように取り扱われたのかは分かりませんが、これでは組織ぐるみの犯罪にも見えてしまいますね。
まとめ
郵便犯罪は局内部でも行われており、比較的表面化しにくいというだけで大きな問題と言えます。そこには仕事への不真面目さが大きく関わっているので、改善のためには個々の従業員に対してしっかりと目を向けることが重要となるはすです。
これらは即座に犯罪であると断定するのが難しいので、公表しようにも中々言いにくいということも正直なところです。こうした問題をしっかりと改善するためにも、もう少し告発しやすい社会体制が必要ではないでしょうか。
日本郵便には数多くの理不尽がまかり通っており、社会的な大問題となり得るような事件もたくさん存在します。筆者の経験を公開することによって、少しでも皆様のお役に立てることを願っています。
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