日本郵便では小包の配送事業としてゆうパックを提供しており、それによって様々な物品が毎日郵送されています。中には恐ろしい物品が送られて来ることもあるのですが、その際の会社としての対応は杜撰としか言いようがありません。
筆者は以前、某地方都市の郵便局で内務職員として勤務していたことがありました。その中で非常に問題のある場面に何度も遭遇したことがあるので、公益性を重視してその一部を公開しようと思います。
今回は、某地方都市の郵便局で発生した「生肉事件」とその顛末についてお話します。
はじめに

日本郵便で扱っているゆうパックでは、小包が配達局へ到達した際にそのデータを入力します。そして、その小包が当日の配達分であった場合は、集配部(配達員の部署)へ引き渡すためのデータ入力も行います。
当日分の小包は配達員に渡しますが、配達の時間帯が違う分については郵便部(内務職員の部署)側が一時的に保管します。それらは該当する時間帯の便になってから配達員へ渡さなければ、早配事故が発生した際の責任が郵便部に転嫁されるからです。

この責任転嫁も非常に問題があるのですが、
今回とはまた別のお話です。
配達当日の早朝までに到着した小包については、深夜勤がデータ入力から保管までを行います。ですが、深夜勤は日付指定や宛先のチェックが杜撰なことも多く、それらの小包は後で細かくチェックし直さなければなりません。
該当の小包で日付指定等を無視したものがあった場合、それは早番の責任となってしまいます。そのため、早番担当者にはお昼の便の配達分を引渡す前に、該当小包の伝票を再チェックする負担が毎日かかっていました。
深夜勤が起こしたミスなのですから、普通であれば再発防止も兼ねて深夜勤への責任追及が必要です。ですが、日本郵便の深夜勤には所謂半グレが多いので、内弁慶だらけの郵便部責任者は注意すらしたがりません。

深夜勤への注意はパートの早番が毎回代わりに行っているのですが、
その様を見て郵便部の正社員は何とも思わないのでしょうか。
事件の発覚

ある日の私も再チェックの作業を行っていたのですが、その中で一抱え程の奇妙な小包を発見しました。ボロボロで蓋すら無い段ボールがロープで縛られ、その中には不透明のビニール袋で包まれた「何か」が置かれています。
伝票を見ると、品名欄には「生肉」とだけ書かれています。その小包はチルド指定等も特に無く、常温で配送されていたことも合わせてかなり不自然ですよね。

「何の生肉」であるのかも分からないこの小包からは、
事件性すら感じる不気味さがありました。
「この小包をそのまま扱うのはマズい」と考えた私は、それを責任者に渡して対応を仰ぐことにしました。私は小包を発見した経緯を説明しましたが、責任者は対応を渋ります。
それどころか、責任者はその小包について、まるで私の責任であるかのような言い草までしています。私はデータの入力履歴を提示して深夜勤が取扱ったことを証明し、そこからやっと責任者も対応を始めました。
責任転嫁レース

小包の伝票には配達先の情報が記載されていましたが、受取人との連絡は取れなかったようです。次に出来ることは荷送り人への確認ですが、このような小包であれば引き受けた郵便局と連携して対応することが最も効果的ですよね。
責任者は早速引受局へ連絡を取りますが、その際に全ての対応と責任を丸投げしようとしました。それに引受局も対抗して、「そちらで1度データを入力したのだから、そちらで全て対応しろ」との返答が来ます。

本来であればこのようなトラブルへの対応マニュアルでもあれば良いのですが、
日本郵便では現場の判断による個別対応が行われています。
最終的には引受局が拒否をし切った形となり、その小包は某地方都市の郵便局で対応しなければならないこととなりました。ですが、その小包について触れたがる責任者は誰もいません。
責任者は私へ責任転嫁することも出来ず、かといって深夜勤の責任とする勇気はないようです。返送すらしなかったので、その小包は郵便局の中で長期間に渡って放置されることになりました。
まとめ
この小包が最終的にどのように処理されたのかは、今になっては分かりません。不気味としか言いようが無い一件ですが、警察への相談等は一切行われていなかった様子です。
このような小包に関しては引受時点で拒否して欲しいところですが、「一旦送付すれば無関係」という意識が郵便局でまかり通っているので難しいでしょうね。それが原因でゆうパックは「何でもあり」な状況となっているので、会社としての改善は必須と言えます。
日本郵便には様々な不条理が存在しており、それによって恐ろしい出来事に遭遇することがよくあります。筆者の経験を公開することによって、少しでも皆様のお役に立てることを願っています。

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