現代社会ではネットショッピング等で様々な方が配送業者を利用していますが、配達時点で留守にしていると受け取ることが出来ません。そのような小包は配達業者側で持ち戻りとして保留され、再び送ってもらうためには業者へ再配達の依頼をする必要があります。
再配達はその負担の大きさから様々な配送業者が対策していますが、日本郵便ではこれに関連した「再配コール」という極秘の作業が存在しています。筆者は以前日本郵便に勤務していたことがあり、その情報を公益性のために一部公開しようと思います。
今回は、日本郵便の再配コールについてお話します。
概要

再配コールとは、日本郵便のゆうパックが配達出来ずに持ち戻りした際、受取人に対して電話で再配達指定の催促を行う作業のことです。これは通常であれば持ち戻りの翌日に行われ、作業のほとんどは期間雇用社員(以降は「パート」と呼びます)の内務職員が行います。
受取人の中には持ち戻りに気付いてからすぐに再配達依頼を実施してくれる方もいるのですが、大抵は持ち戻りからしばらく経過しても連絡されないことが多いです。それらは保管期限が切れると返送されてしまいますが、その量が多いと大口顧客から契約を解除される要因にもなるため、日本郵便は無理矢理でも持ち戻りの残留を減らすために再配コールを行っています。
原則としては全てのゆうパックに対して再配コールを行うことになっていますが、それを完璧に行うとすれば作業時間が膨大になるため現実的ではありません。そのため、普通は作業者の判断でチルドやなまもの等の有効期限が近いものだけで済ませることもあります。

作業は当日の早番担当者のみが行うことが多く、
私が勤務していた郵便局では毎日2人だけで電話していました。
再配コールの作業は受取人と連絡に繋がるまで毎日1回ずつ続けられますが、酷い上司が責任者となった場合はその日に繋がるまで作業を続けるように強要されることもあるようです。更に、この作業報告は支店間連絡として責任者側が行うことになっているのですが、その際に責任者自らが作業を行ったと虚偽の報告をするため、一種の「やりがい搾取」としても非常に問題があります。
また、再配コールはその性質上対象小包の受取人が人格的に問題のあるケースも多く、通常のコールセンターとは比較にならない程クレームの発生確率も高くなります。再配コールは郵便局側から電話かけているという都合上クレームだからと対応を拒否することも難しく、これが原因で担当にされてしまったパート社員の精神は大きく消耗してしまいます。
再配コールはその労働内容や労働量の過酷さから、日本郵便における会社内部でのパワハラやモラハラの主要な原因になっています。日本郵便では配達員の労働環境が取り沙汰されることが多いですが、実はパート内務職員の方がブラック労働化しているので注意が必要です。

ブラック企業問題の公表は第三者にとって個人の愚痴に近いことなので、
公益性を維持するために今回は言及を控えさせていただきます。
日本郵便の「嘘」

日本郵便はこの再配コールという作業について公に明らかにはしておらず、会社内だけで粛々と行われる極秘事項のように扱われています。ですが、以前日本郵便に対して行われたインタビューの中で、再配コールに対する日本郵便側のスタンスが垣間見える場面があったのでご紹介します。
これは2016年6月頃に日本郵便を名乗る人間から不審な電話があり、荷受人の名前を聞き出そうとする事案が発生した一件についての記事です。これ自体は非常に問題のあることで、詐欺の電話には気を付けなければなりませんね。
記事ではこの事件に関連して日本郵便へインタビューが行われているのですが、その際に広報が発した見解は「郵便局からお客様へ電話をかけることはない」「お客様のお名前や住所を尋ねることはない」等といった主張でした。これは再配コールの実態を完全に無視した発言であり、その問題点を更に浮き彫りにさせています。
日本郵便では再配コールという作業が実態として存在することは勿論として、当たり前ですが再配コールでは転送の受付けも行われることがあります。その場合であれば当然ながら転送先のお名前やご住所をお尋ねすることになるため、つまり日本郵便は公共の場で堂々と嘘を吐いたことになりますね。

当時のネット掲示板等にはこの記事に対する反応が残っており、
実際に作業を行っている方からは呆れられていました。
このインタビューから察するに、今後再配コールによって受取人からクレームが来た場合、日本郵便側は「パートが勝手にやったことであり遺憾だ」とでも主張して処理するのでしょう。日本郵便はここまで自分本位で他責的な人間が運営する企業なので、日本郵便にはお客様としての立場以外で関わらないことをおススメします。
再配コールから分かる配達員の実態

再配コールはお客様に対して能動的に電話をかける行為なので、コールセンター等では通常行われないようなクレームがされることがあります。そのようなクレームから情報を抜き出すと、配達員の怠惰な実態が浮き彫りになるので少しだけ見て行きましょう。
例えば、筆者が以前勤務していた郵便局では「チャイムが鳴ったので玄関に行くと誰もおらず、ポストを確認すると不在表が入っていた」といった旨のクレームが複数のお客様から寄せられることがあります。
配達員の中にはチャイムを鳴らしてからあまり待たず、すぐに不在票を切って次の配達先へ向かってしまう人間が存在するようです。或いは、お客様がお年寄りで直ぐに出られないことが分かっていて、初めから不在表を切ってピンポンダッシュをしているのかもしれませんね。

このような配達方法に対して、
私は「ピンポンダッシュ配達」と呼んでいます。
更に酷い場合になると、不在票すら入れずに次へ行ってしまう配達員もいるようです。実際に訪問していればまだ良いですが、データを入力しただけで実際には訪問していない可能性も捨て切れません。
運送業者に関するネットスラングでは、「○○するんじゃない、○○するんだ」のような文言でその気質が説明されることがあります。筆者にとっての日本郵便は言うなれば、「配達するんじゃない、配達に行ったことになればいいんだ」といった感じですね。
まとめ
今回は世間であまり知られていない日本郵便の実態として、再配コールについてお話しました。個人的な愚痴にならないよう注意して記述したつもりですが、少々まとまりのない文章になってしまったかもしれませんね。
再配コールは内務職員の作業として非常に闇深く、その全貌は簡単に語り切れるものではありません。もしこの記事で再配コールに興味を持っていただいた方であれば、実際にパートの内務職員の方からもお話を聞いてみてくださいね。
日本郵便では非常識なことが平気で行われることがあり、目立たないだけの被害者も相当数が存在しています。筆者の経験を語ることで、少しでも皆様のお役に立てることを願っています。

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