「国際ブランドと表現規制」の問題に関するまとめと考察

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「国際ブランド」はクレジットカード等で用いられている決済ネットワークであり、現在においてもキャッシュレス決済の中心的な役割を担っています。しかし、現状流通している有名なサービスは大半がアメリカ企業となっているため、しばしば外交圧力手段として用いられることがあります。

例えば、アメリカがある国の産業にダメージを与えたいと考えた際、そちらに対して国際ブランドを停止することで経済的に打撃を与えることが可能となります。一昔前であればその代表例としてロシアが挙げられることが多かったですが、どうやら現在では日本もその脅威に晒されているようです。

今回は昨今話題になっている国際ブランドと表現規制に関する問題について、その簡単な振り返りをしながら考えて行きたいと思います。日本経済に大きな影響のある話題なので、興味があれば一緒にチェックして行きましょう。

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本件の概要

この話題に関連する最初期の出来事としては、「DMM」の関連サービスに対して行われた規制が挙げられます。2022年7月29日午後2時からはMastercardの取扱いが一部停止され、携帯電話やネットワーク事業等の一部を除いて使えなくなりました。

VISAやMastercardといった国際ブランドでは以前からアダルトコンテンツへの規制に力を入れており、本件では元々そういったコンテンツを取扱っていたDMMが標的になったとされています。DMMのアダルト事業は既に「FANZA」として分離していましたが、そういった事情はお構いなしに全体が規制されたようですね。

尚、このFANZAについては後の2024年6月14日正午から、「FANZAブックス」及び「FANZA同人」でVISAも停止されています。尤も、それ以降もDMMポイントであればVISAで購入出来るそうなので、そちらを経由すれば事実上継続してVISAを使い続けること自体は出来るそうです。

次に話題となったのが動画共有サイト等で知られる「ニコニコ」の一件で、2023年11月8日午後10時頃から一部有料サービスでMastercardの取扱いが停止されました。また、ニコニコでは2024年以降にも3月15日からAmerican Expressが、5月10日からVISAが、5月24日からはDiners Clubが規制されています。

この規制の原因としてはある動物系の動画が有力視されており、それは「露悪的な言葉の表現を用いながら仔猫を保護する」という平和な内容のものでした。これがMastercardからは動物虐待として認識されてしまい、サービスイメージを毀損するとして圧力をかけていたものと言われています。

カノケイト
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この時点で既に表現規制との関連を指摘する声が上がっていましたが、

ここまでは「国際間での事実認識の齟齬」と言えなくもありませんでした。

その後は国際ブランドによる日本のコンテンツ事業に対する介入が強まって行き、次の規制対象としてはダウンロード販売サイト「DLSite」が目を付けられました。こちらでは2024年4月3日午後6時からVISA・Mastercardの取扱いが停止され、翌日の4月4日午後6時半からはAmerican Expressが規制されています。

この規制は「取扱作品内で用いられる語句が一部不適切と判断された」ことが原因ではないかと言われており、現に同年の3月26日には各クリエイターに向けて使用語句の一部変更を求める要請も行われていました。ちなみに、この時にはいくつかの語句の置き換えが例示されていましたが、その中にあった「ひよこババア」というパワーワードがSNS等で話題になっていましたね。

その後も2024年には様々なサービスで規制が強まり、5月21日午後3時半からはクリエイター支援サービス「ファンティア」でVISA・Mastercardが利用出来無くなりました。また、こちらの関連事業として「とらのあな通信販売」というサービスも存在していますが、こちらでも同年6月13日正午から同じブランドが停止されています。

カノケイト
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初期では特定のサービスのみが規制対象となっていましたが、

2024年の春先頃からは日本のコンテンツ業界自体が狙われているように感じます。

2024年11月1日からは「マンガ図書館Z」というサービスも対象となりましたが、こちらは何と決済代行業者によって包括的に利用停止が行われたようです。これによってマンガ図書館Zではビットキャッシュによる支払いしか受付出来ない状態になってしまい、同月26日正午にはサービス自体が終了してしまいました。

決済代行業者側は規制理由として「アダルトコンテンツの取扱い」を挙げていたそうですが、マンガ図書館Zは漫画の絶版作品や単行本化していない漫画作品を扱う電子書籍サービスです。そのため、本件の規制については完全な言い掛かりと評価出来るものであり、これには国内のみならず海外からも大きな批判が巻き起こっているようですね。

カノケイト
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マンガ図書館Zの運営者は今回の規制に納得していない様子であり、

今後のサービス復活に向けた意気込みを見せていましたね。

この後にも「メロンブックス」という同人作品の販売サービスで規制が予定されており、こちらは2024年12月19日からVISA・Mastercardが停止されるようです。ちなみに、メロンブックスでは同年9月25日からメンテナンスを理由として、通販についてMastercardが先に停止されていた様子ですね。

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何故規制が行われるのか

近年ではVISAやMastercardを中心とした国際ブランドが表現規制に乗り出しており、中でも日本のコンテンツ産業に対する攻撃的な姿勢はかなり目立ちますね。その過剰さから各所で物議を醸している問題ですが、この発端は2022年7月29日にカリフォルニア州連邦地裁で行われたある裁判が理由とされています。

この事件では、とある未成年者女性の性的な動画をボーイフレンドが無断で撮影し、数年後にその動画があるポルノ系動画共有サイトへ投稿されたことが問題となりました。裁判では当該動画によって収益を得ていたとしてサイト運営企業が非難された他、そのサイトに決済手段を提供していたVISAにまで責任の追及が及んでいます。

カノケイト
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加盟店が起こした問題の責任を決済事業者にまで及ぼすとは、

さすが訴訟大国アメリカといった感じがする一件ですね。

ともかく、これが理由となってアメリカの決済事業者はアダルト産業、特に児童ポルノに関して非常に過敏になっているようです。そういった自社のブランドイメージの悪化を防ぐことを目的として、現在表現規制を強めているというのが表向きの理由となっています。

ですが、そのような児童ポルノの問題は現実的な被害に焦点を当てるのであれば分かるのですが、何故それが創作物のコンテンツに対して、それも日本の業界を狙って締め上げることに繋がるのでしょうか。性的搾取と漫画等の創作物を安易に結び付けること自体にも疑問が浮かびますが、そのお題目でアダルトコンテンツと無関係なサービスまで規制対象に含めているとなれば正気とは思えません。

その理由としては様々な説が考えられますが、世間ではその本当の理由が「欧米の嫉妬」ではないかと考える方も多いようですね。つまり、アメリカは初めから日本企業への攻撃ありきで漫画等に対する規制を強化しており、それによって自国企業のシェアを伸ばすことが目的である、といった感じです。

近年の米コミック業界では所謂ポリコレをごり押しした結果として売上が低迷している反面、それらに縛られない日本のアニメや漫画が大きくシェアを伸ばしていると言われています。そうした日本のコンテンツ業界への牽制にVISAやMastercardが加担し、児童ポルノ云々については「口実」として利用しただけではないかというわけですね。

欧米では日本がある分野で世界的に躍進した際、欧米に有利なようにルールを変更した上で、それに日本が従わないという理由で非難するということが歴史上よく行われて来ました。また、とある欧米の問題点が非難されるようになったとき、その問題点を「日本が率先して行っていた」ことに歴史改変して正義側に立とうとする場面もよく見受けられますよね。

カノケイト
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最近で言うと、UBIソフトのゲームで日本史の悪質な改変が行われ、

その関連で「白人による黒人奴隷貿易が日本のせいにされようとしている」ことが発覚した事件がありました。

これも2024年の春のことでしたね。

こうした日本への差別的な対応や政策は各国で現在まで変わらず行われており、今回の表現規制問題についても同じことが行われていると考えるのは自然なことです。これについては日本国外でも疑問の声が上がっている程なので、日本全体の課題として取り組んで行くべきだと思います。

ちなみに、今回の問題も含めて「ある人や属性が一方的に有利になり、且つその判断には不要な条件を用いて区別を行うこと」は社会でよく見受けられますが、これらは日本法学界の専門用語で「間接差別」と呼ばれています。言語化の力は強いものです。現代社会で理不尽な要求に直面した際には、ぜひともこの「間接差別」という言葉や概念を活用してくださいね。

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日本のキャッシュレス決済の在り方

アメリカ企業の国際ブランドが表現規制を強めている背景としては、カリフォルニア州等の判例や対日政策が関係しているものと思われます。現在国際ブランドのシェア、と言うか国際ブランドの企業はほとんどがアメリカに拠点を置いており、その運営にはアメリカの事情がダイレクトに反映されてしまうことでしょうね。

逆に言えば、アメリカ企業でなければアメリカの判例やその他内情に左右されず、日本に対するコンテンツ規制とは無関係な運営が出来るということでもあります。その代表的な例が日本の国際ブランドである「JCB」であり、こちらは欧米の表現規制の高まりに比例して需要が急激に高まっています。

カノケイト
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JCBは他の国際ブランドと比較してシェアが小さいですが、

使える地域が限定されていることが逆にメリットになっているのでしょうね。

JCBは現状で表現規制を推進している動きが特に無く、決済代行業者が取引を停止した場合を除き他のブランドで規制対象となったサービスでも引き続き利用出来ています。日本が他国の影響を受けにくく安定した経済活動を営むために、日本独自の決済サービスを持つということがどれだけ大切であるかが分かる一件ですね。

尤も、現在ではコンテンツ系の各種サービスでJCBを使い続けることが出来ていますが、この状況が将来的にいつまで続くとも限らないのは念頭に置いた方が良いでしょう。日本のコンテンツ産業を支えている決済サービスがJCB一本ではどうしても安定感に欠けるので、これから日本国内の決済サービスが更に活発になる必要もありそうです。

ネットのサービスで支払いを行う際にはブランドカードが重宝しますが、最近ではd払いや楽天ペイのようなスマホ決済サービスでもネット加盟店が拡大しています。それらは従来のようなポイント二重取りを使わなくてもキャンペーン等でお得に使えることも多いので、興味があればそれらを積極的に使用する機会を増やしてみてくださいね。

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最近ではピクシブの「ピクシブコバン」のような独自サービスも登場しており、

そういった側面も含めて今後の決済事情の改善に期待したいですね。

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