先日、日本郵政グループが新しいポイントサービスとして「ゆうゆうポイント」が発表されました。提供開始は11月18日からとなっているので、既に実際に貯めてみた方も多いかもしれませんね。
基本的にはプラスアルファのサービスなのであまり言うつもりはありませんが、個人的な感想としては今回のサービスについてどこかズレているようにも感じています。今回の記事ではそちらについて考えて行くので、興味があれば一緒に情報をチェックして行きましょう。
ゆうゆうポイントの概要
今回取扱うトピックはこちらです。
“全国の郵便局で初めてのポイントサービスを開始 ~あなたとあの人を結びちょっとしあわせにする「ゆうゆうポイント」はじまる~“(日本郵政より)
“日本郵便、初のポイントサービス「ゆうゆうポイント」“(Impress Watchより)
ゆうゆうポイントは日本郵政のアカウントサービス「ゆうID」で提供されており、主にゆうIDや郵便局アプリを利用することで貯まるポイントとなっています。現状でこのポイントサービスはとりあえずとして始められたような状況で、基本的な有効期限は最後の変動から1年間です。
ポイントを貯める方法については未実装な部分が多く、現時点では郵便局へ訪れた際に貯まる「来局ポイント」が利用可能です。現在各郵便局ではポイント獲得用のQRコードが提示されており、これを郵便局アプリで読み取ることで1日1ポイントが付与されます。
今後は物品購入はゆうパック配送料等でもポイントが貯まる予定もあり、
そちらは2025年春頃に実装される予定となっています。
ゆうゆうポイントを家族で利用している方の場合は「家族シェア」も利用可能で、家族登録を行ったユーザーに対してポイントを送ることも出来ます。こちらはある程度ポイントをまとめて使いたいときに重宝しますが、有効期限は半年間と短めに設定されるので使い所を選ぶ必要がありそうですね。
その他、サービスの開始に合わせていくつかのキャンペーンが実施されるようです。
ゆうゆうポイントが貯まるキャンペーン
- 2024年11月~2025年3月:来局ポイントを獲得した月では1,000万ポイント山分け
- 2024年11月~2025年3月:家族シェアを行った月では抽選で200ポイントが当たる
- 2025年1月:年の始めの「縁試しくじ」を実施
- 2025年2月~3月:ゆうパック包装用品購入とゆうパック受取りでポイントが貰える
- 2025年3月:郵便局アプリでe転居を申込むとポイントが貰える
貯まったポイントの使い道も現時点ではかなり限定的で、現在ではゆうゆうポイントのサイトにて景品交換のみ対応しています。将来的には配送料の支払い等にも1ポイント=1円として使えるようになるそうですが、その開始時期は2026年3月頃とされているようです。
ポイント払いの提供時期が遅れる理由として、
公式では「利用者のために貯める期間を作った」という旨を述べているようです。
筆者の感想
ゆうゆうポイントはサービスの発表や開始が唐突であったり、まるで体験版のような内容で開始される等どうにもグダグダな感じがします。また、そうした不満点を今後に期待すると一旦置いておくとして、他にも個人的にどうしても気になってしまう点がいくつかありました。
まず1つめとして、現在ゆうちょ銀行で「ゆうちょPayポイント」を既に実装しており、日本郵政グループ内で複数のポイントサービスが併存してしまうことです。ポイントサービスはあまり多く利用すると管理が難しくなり、それが理由でポイントサービスを忌避する消費者まで存在する程であるにも関わらず、何故わざわざ追加のポイントサービスを始めるのでしょうか。
例えば、近年ではイオンがクレジットカードのポイントをWAON POINTに集約していたり、JR西日本の各種ポイントサービスが統合されてWESTERポイントがスタートしています。一部には例外も存在するとは言え、今回のゆうゆうポイントは時代の流れに逆行しているように見えますね。
ゆうゆうポイントは初めからゆうちょPayポイントの発展形として提供するか、それが出来なかったとしても今後両サービスを統合するべきではないでしょうか。ゆうゆうポイントを共通ポイント化するつもりが無いことは別に良いのですが、最低限グループ内のポイントは共通化して欲しいところですね。
「グループ企業なだけで会社が違う」なんて内部事情的な言い訳は通じません。
消費者は全て同じく「郵便局」として見ていますよ。
もう一つはポイントの使い道に関することであり、サービス提供開始時点で景品交換にしか対応していないことがどうしても気になってしまいます。ゆうパック配送料の支払いに使えるようになるのは2026年3月を予定しているそうですが、こちらは最初から対応しているべきではないでしょうか。
もし新ポイントサービスで消費者の訴求力を高めたいのであれば、貯めやすさだけではなく使いやすさもアピールする必要があります。景品交換ではそれこそ一定以上までポイントを貯めなければなりませんが、支払いに対応していれば1ポイントから使えるため消費者からすれば遥かに使いやすくなりますよね。
また、景品交換にのみ対応するポイントサービスは消費者によって価値が大きく変わり、用意された景品に欲しいものが無い場合はほぼ価値が無くなってしまうことが大きな欠点となります。それに対して支払いに対応していれば人を選ぶことなく誰にとっても価値があるポイントとなるので、やはりポイント払いは優先した対応すべきだったはずです。
そもそもの話、ポイント払いの実装が遅れる理由として「貯める期間を設けた」ことを挙げるのはどうにもおかしな話ですよね。更に言えば、現状でまともにポイントを貯める方法が来局ポイント位しかなく、配送料等の支払いによる還元が後回しになっているところにも非常に大きな違和感があります。
ポイント払いが「他の決済手段との併用不可」となる予定であれば発言の辻褄だけは合いますが、
さすがにそこまで愚かではない……と思いたいところです。
日本郵政の中期経営計画にも一応含まれていた筈のゆうゆうポイントが、何故アルファ版のような状態で開始されてしまったのか。単に計画がグダグダでサービス開始予定までに実装が間に合わなかっただけか、或いは社内政治か何かの理由で「新ポイントを開始した体裁だけでも取りたかった」から不完全な状態でも始めざるを得なかったのか、理由は不明としか言いようがありませんね。
文句ばかりを言うのもあれなので最後にちょっとした要望なのですが、来局ポイントの仕組みに「スタンプラリー」の要素を追加するのはどうでしょうか。世の中には郵便局の「風景印」をコレクションしている方も一定数存在する様子なので、そういった要素があればサービスの利用者は更に増えると思いますよ。
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