ブランドプリペイドカードは事前にチャージして使うサービスですが、過剰なチャージを行うと少し勿体無く感じますよね。その残高には銀行のような利息が発生せず、普段のお買い物以外ではあまり使えません。
近年は様々なブランドプリペイドカードが登場していますが、中には残高から還元サービスが提供されるものも存在します。IDAREカードはそのような用途に合うサービスなので、こちらを活用しても良いですね。
今回は、IDAREカードについて考察していきましょう。
目次
サービス概要
IDAREカードとは、株式会社Fivotが提供しているブランドプリペイドカードのことです。事前にチャージした残高を用いて支払いを行う、先払い方式の決済サービスですね。
IDAREカードを利用するにはスマホアプリへの登録が必要ですが、こちらは年齢や国籍を問わず誰でも登録可能となっています。ただし、未成年者が登録する場合は親権者の同意が必要となる他、12歳までの方は本人確認申請が行えないので覚えておきましょう。

登録した段階では強めの利用制限がかかっているので、
積極的に活用したい場合は本人確認を済ませておきましょう。
まずは、IDAREカードの基本的なサービス概要を見ていきましょう。
サービス概要 | 摘要 | |
---|---|---|
発行会社 | Fivot | |
国際ブランド | VISA | |
ICカード | 有 | |
電子マネー | NFC Pay | リアルカード |
発行手数料 | 無料 | バーチャルカード |
900円 | リアルカード | |
年会費 | 無料 | |
残高上限 | 100万円 | 本人確認済み |
残高有効期限 | 無期限 | |
為替手数料 | 無料 | |
チャージ方法 | コンビニ店頭 | |
セブン銀行ATM | ||
Pay-easy | ||
口座振替 | ||
口座振込 | ||
ブランドカード | VISA | |
Mastercard | ||
JCB | ||
American Express | ||
チャージ手数料 | 無料 | |
還元率 | – | |
3Dセキュア | メール認証 | 認証時に選択 |
SMS認証 | ||
電話認証 | ||
セキュリティ | 決済一時停止/再開設定 | |
決済上限設定 | ||
補償 | 不正利用補償 | 発生から30日以内の申請 |
優待 | – |
カードの利用制限やチャージ申請等、必要な設定・申請は全てアプリ上で行います。「カード」タブをタップするとカードの詳細が確認出来る他、画面右上の人型アイコンからはログイン設定や決済の詳細設定が出来るので覚えておきましょう。
本人確認

IDAREではアプリに登録した段階でバーチャルカードが発行されますが、本人確認をしていない状態では残高上限やカードの決済上限が低く設定されています。更にはリアルカードの発行やカードチャージが出来ないようになっているので、登録した後は必ず本人確認を済ませましょう。

本人確認が終了した際にはセキュリティの都合上、
バーチャルカードの番号が一度変更されます。
本人確認にはスマホのカメラ機能が使われ、本人確認書類とご自身のお顔を撮影して行います。確認は運営の営業時間に行われる様子なので、本人確認が完了するまで少し待ってくださいね。
使えるお店

IDAREカードではリアルカードによる実店舗決済が可能となる他、VISAのタッチ決済による非接触決済も可能です。現時点のIDAREカードはApple PayやGoogle Payに対応していない様子なので、バーチャルカードを使い続ける場合は少し工夫が必要ですね。
また、IDAREカードは定期契約全般・ホテル・ガソリンスタンド・高速道路・一部交通機関・機内販売・金融商品等の支払いに使うことが出来ません。その他、ブランドプリペイドカード自体を拒否している加盟店でも使えないので覚えておきましょう。

加盟店によっては10円未満の支払いに利用出来ないことがありますが、
現在では一部で対応し始めているようですね。
ただし、公共料金やサブスクリプションサービス等、一部の定期契サービスについては公式で利用確認された加盟店のリストが公開されています。そちらであればクレジットカードを使うよりもお得に支払いが出来る可能性があるので、興味のある方は検討してみましょう。
IDARE公式で利用確認がされている定期契約サービス(2025年6月現在)
- 東北電力
- 東京電力
- 中部電力
- 北陸電力
- 中国電力
- auでんき
- 京葉ガス
- ニチガス
- 静岡ガス
- 北陸ガス
- 大阪ガス
- 西部ガス
- 横浜市水道局
- 大阪市水道局
- 堺市上下水道局
- Netflix
- DAZN
- YouTube
- Disney+
- Uber
ちなみに、IDAREカードのリアルカードを発行するには900円の手数料が発生しますが、こちらは稀に手数料分が後述のボーナスとして還元されるキャンペーンが開催されることがあります。これによって実質無料で発行することも可能なので、どうしてもリアルカードが必要な方はこの機会を狙っても良いかもしれません。
ボックス機能

IDAREでは「ボックス」という機能が提供されており、アプリ内の残高を目的別に小分けして管理することが出来ます。ボックスは1アカウントにつき5つまで作成可能となっており、ボックス間では個別ページの「うつす」ボタンからいつでも残高の振り分けが可能です。
作成したボックスには積立の目標金額を個別に設定可能となっており、この設定を済ませたボックスでは更に自動積立(オートチャージ)設定も可能となります。IDAREのオートチャージは実行条件を毎日・毎週の曜日・毎月の日付のいずれかで設定し、金額は500円以上1円単位で設定します。
ボックスの基本設定や積立設定を変更する場合、ボックス個別ページの右上からメニューを開くことが出来ます。ちなみに、IDAREでは残高が残っているボックスや、1つしかないボックスは削除することが出来ないようになっているので覚えておきましょう。

ボーナス狙いで細かな金額のチャージを行いたい場合、
IDAREではオートチャージの方が少し扱いやすいですね。
IDARE運営はAIを用いた積立設定の開発にも注力しているらしく、その先駆けとして現在では指定のプロ野球チームが勝利したときに積立が行われる「プロ野球応援ボックス」、指定のJリーグチームが勝利したときに積立が行われる「Jリーグ応援ボックス」のそれぞれのベータ版が公開されています。今後は様々なルールで積立出来るようになる可能性があるため、こちらの将来性も楽しみにして行きたいところですね。
また、現在のボックス機能では先述した残高を積立するための「ためる用ボックス」と、IDAREカードでの決済に用いられる「つかう用ボックス」の2種類が存在します。つかう用ボックスはためる用ボックスの中から1つを選択して設定しますが、これはホーム画面からいつでも変更することが出来ますよ。
つかう用ボックスの設定はためる用ボックスの一覧から選択したいボックスを長押しして、そのままつかう用ボックスの欄へドロップすれば簡単に変更出来ます。これを活用すればカードの不正利用防止に役立つ他、決済の目的別に残高を管理したい場合にも重宝しますよ。
チャージ方法

IDAREへのチャージ方法としては、大まかに分類すると現金・銀行口座・ブランドカードが用意されています。チャージ方法によるサービスへの影響は無いので、ポイント還元を得ることが可能なブランドカードを中心に使いましょう。
IDAREで手動による残高のチャージを行う場合、まずはホーム画面から「つかう用ボックス」の+ボタンをタップするか、又は各ボックスの詳細画面から「入金」ボタンをタップしましょう。すると画面の下部にチャージ方法の一覧が表示されるので、そちらから利用したい方法をタップして手続きを行ってくださいね。

セブン銀行ATM以外の方法でチャージする場合、
アプリで本人確認を済ませることが利用条件となっています。
ブランドカードは3Dセキュアに対応したものが利用可能で、VISA・Mastercard・JCB・American Expressの4ブランドが対応しています。アプリに登録可能なカードは1アカウントにつき5枚までとなっており、チャージは1,000円以上1円単位の金額を指定して行います。
銀行口座からのチャージでは即時入金サービスが利用されており、1,000円以上から手数料無料で手軽にチャージすることが出来ます。対応金融機関はメガバンク・地方銀行・信用組合を中心に用意されており、1アカウントに登録可能な口座は1行までとなっています。

チャージ用カード・口座の詳細はアカウントメニューからも設定可能で、
支払い方法の削除だけでなくカード名設定等も可能ですよ。
また、銀行振込チャージではGMOあおぞら銀行の振込入金口座が用いられており、ユーザー毎に用意されている仮想の口座番号に振込することでチャージが完了します。こちらはGMOあおぞらネット銀行口座であれば同行宛扱いで振込手数料無料となるので、どうしても1円からチャージしたい場合には利用しても良いかもしれませんね。
自身に設定された入金用口座情報を知りたい場合は、チャージ方法の選択画面から「指定口座への振込」を選ぶことで確認可能です。こちらの口座情報は基本的に変化することが無いので、必要であればメモ等を取って保管しておきましょう。
ちなみに、口座振込でチャージした場合の入金先は最後に入金用口座情報を確認したボックスに設定されます。そのため、もし入金先を変えたい場合にはその残高のチャージ画面で再度口座情報を確認してみましょう。
ボーナス

IDAREでは支払い金額に応じた還元サービスがありませんが、チャージ残高に応じたボーナスを付与するサービスが提供されています。このサービスを使いこなすことがカードをよりお得に使うことに繋がるので、サービスの特徴はしっかりと覚えておきましょうね。
ボーナスは月間平均残高の年利2%に相当する金額と、月間チャージ金額の20%に相当する金額から算定されます。この2つの条件を比較した中で、より低い方に当たる金額分が当月のボーナスですね。

当月内に1度もチャージをしなかった場合、
ボーナスは発生しないことになりますね。
また、残高のチャージ方法として口座振込を利用した場合、その1%分相当がボーナスとして付与(1円未満切り捨て)されます。もしブランドカードが使えない状況にある場合、こちらのサービスを活用すればある程度お得にチャージ出来るので覚えておきましょう。
付与されたボーナスはホーム画面右上のボーナス欄から確認可能であり、そちらをタップするとボーナス対象残高の確認や貯まったボーナスを使うことが出来ます。ボーナスはボックスの残高へそのまま1円単位で移行することが出来る他、現在ではdポイントへのポイント交換にも対応していますよ。
ちなみに、通常の残高とボーナス残高はウォレット内で区別されており、両方が混在している状態で支払いを行った場合や、ボックス間で残高の振替を行った場合はボーナス残高が優先的に消費されます。また、ボーナス残高はボーナスの算定対象に含まれないので覚えておきましょう。
送金

IDAREの残高はボーナスからチャージした分を除き、他のユーザーに送金することが可能です。お友達やサークル等でアプリをご利用されている場合は、こちらを使っても良いかもしれませんね。
送金する場合は、ユーザーIDを検索して相手を探すか、QRコードを利用して送金先を指定します。送金上限は本人確認が済んだ状態で、1回10万円まで且つ1か月30万円までです。

ユーザーIDは「その他」タブ最上部の、
プロフィール設定から変更可能です。
セキュリティ

IDAREカードでは決済機能を一時停止することが可能であり、設定することで不正利用を未然に防ぐことが出来ます。設定はホーム画面右上の人型アイコンをタップすれば確認出来るので、決済上限設定と合わせてセキュリティを高めるために活用してくださいね。
また、アプリのロック機能としては生体認証を使用することも可能です。端末が紛失・盗難に遭った際、アプリから決済情報が盗まれる危険性を最小限にすることに繋がります。

IDAREカードをご利用される場合は、
セキュリティ設定を全て活用しましょう。
それでも不正利用が発生してしまった場合、その被害はIDAREサービス利用規約第11条(確認出来ない場合はこちら)によって補償されます。必要であれば管轄の警察組織に被害届を提出した上で、発生から30日以内に所定の申請を行いましょう。
具体的には、まずアプリで決済の一時停止を設定して、お問い合わせフォームの「身に覚えのない取引」から運営へ報告します。その後直ちに被害届を提出した後、届出番号と併せて補償申請を済ませれば審査の後に被害額が残高へ返金されるようです。
IDAREカードの使い方

IDAREカードを使う場合は、ボーナスの効率的な取得方法を第一に考えましょう。例えば毎月500円をオートチャージして100円分のボーナスを狙うのであれば、残高として6万円~6万5,000円程度を確保しておくと良いですね。

いきなり6万円をチャージする必要は無いので、
ご自身で計画を立てて使ってくださいね。
もし月間平均残高の2%分と月間チャージ金額の20%分が丁度重なる金額でチャージしたい場合、毎月1日にホーム画面のお知らせをチェックしてみましょう。こちらでは月間平均残高2%分のボーナスを最大限受け取るために必要なチャージ金額が表示されるので、後はこれに合わせて毎月1日頃にチャージするだけなので簡単ですよ。
500円~999円の範囲で入金したい場合はオートチャージが必要となりますが、こちらの引落しは条件に合致した日の午前7時以降に行われます。もし毎月の初めに丁度良い金額で積立したい場合、1日早朝までに積立設定を変更するか、1日に確認した必要金額で2日に積立設定をしておきましょう。
IDAREはボーナスの仕様上残高が高額になりがちなので、つかう用ボックスは基本的に支払いが発生する当日やその直前に変更するのがベストです。そしてカードを使う用事が終了した際には残高が空のボックスを設定しておき、不正利用によるリスクを最小限に抑えるようにしてくださいね。

IDAREではカードの一時停止や上限設定も可能なので、
それらを組合わせてセキュリティを高めてくださいね。
現在のIDAREはJAL Payプリペイドカードからチャージ可能であり、こちらであれば0.5%分のJALマイルを二重取りすることが出来ます。更に現在のJAL Payはチャージ方法として様々な国際ブランド(Mastercard・JCB・Diners Club)に対応しているため、チャージの際は基本的にこちらを経由すると便利且つお得ですよ。
ただし、JAL Payではシステム上の理由により、住信SBIネット銀行の「デビットカードPoint+」や「V NEOBANKデビット+」といった高還元カードが利用出来ないので一長一短でもあるのが現状です。新規発行可能な高還元カードでJAL Payへチャージ出来るものは現在限られているので、上記のカードでIDAREへ直接チャージしてしまうのも1つの手ですよ。

IDAREカードは基本的な機能が一通り揃っているので、
比較的自由度の高い使い方が出来るはずです。
IDAREカードは3Dセキュア認証にも対応しているので、ECサイトや各種サービス料金等での支払いの他にスマホのコード決済アプリで使うことも可能です。こちらも実店舗での支払い方法として使えるので、必要であれば活用してくださいね。
それに加えて、現在のIDAREカードでは他社ブランドプリペイドカードの「ワンバンクカード」(旧:B/43カード)へのチャージに利用出来ることが確認されています。ワンバンクカードは使える場面が少々広めになっていることに加えて、場合によってはリアルカードを安めに発行することも出来るので併せて活用してみましょう。
また、現在のIDAREカードでは海外加盟店での手数料が無料となっているので、海外旅行や個人輸入等で利用しても良いですね。海外旅行で使うにはどうしてもリアルカードが必要となりますが、こちらを無料発行したい場合は時々開催されている「実質無料キャンペーン」を活用することも1つの手ですよ。
IDAREカードの注意点
本人確認が難しい

IDAREカードの機能を有効化するには本人確認が必要ですが、これが意外と難しくて大変です。本人確認書類の撮影時には目印として白枠が表示されるのですが、撮影後の写真では必ず枠からずれてしまいます。

カメラのピントも何故か合わないことが多く、
非常に撮影しにくいです。
被写体を白枠へと収めるには、被写体と撮影時の白枠を少しずらして撮影しましょう。上手く行くまで続けるので中々根気の要る作業ですが、1度済ませれば後は大丈夫です。
アカウント設定について

IDAREアプリでは登録時にログインパスワードを設定しますが、ユーザー設定からパスワードを変更することが出来ません。変えられないことはありませんが少々面倒なので、アプリに登録する時点で強めのパスワードを設定するように意識しましょう。
もしIDAREのログインパスワードを変更したい場合、一度ログアウトした後でパスワード再設定を行うことにより一応は可能となります。必要なときはログインの際に「パスワードを忘れた場合」をタップし、画面の案内に従って申請しましょう。

パスワードとしては英数字と記号が使える様子なので、
これらを組合わせて強固に設定してくださいね。
また、これはIDAREカードを利用していて個人的に感じていることなのですが、現状では「カード」タブから決済上限設定の確認・変更が出来ないので地味に不便です。人によっては設定出来ることに気付かない可能性すらあるので、これだけはどうにか改善して欲しいところですね。
これからのIDAREカードに期待すること

IDAREはアプリのアップデートにも精力的に取り組んでおり、デザイン自体が一新されることも珍しくありません。IDAREでは今までにも積極的に機能強化へ取り組んでいる実績があるので、これからの展開にも大きく期待が持てることに間違いありません。
それでも敢えて言うとすれば、正直言うとこのところのアプリはよく言えばAppleのように整ったデザイン、悪く言えば操作方法が一見しただけでは分かりにくいようにも感じます。現状では初見で支払い設定等を行う際に困惑してしまう方も多いかもしれないので、まずはもう少し使いやすさを重視したUIにして欲しいですね。
また、IDAREカードは一定以上の残高を保持し続け、それによってボーナスというアドバンテージを受けることが特徴のサービスです。このサービスを提供するのであれば、残高の保全は第一に考えて欲しいですよね。
これはあまり考えたくないことではあるのですが、IDAREは資金移動業者としての性質から突然サービスが終了した場合に大きな損失が発生する可能性があります。そのため、IDAREではサービスの信用性や継続可能な運営を最優先に考えて欲しいところです。
まとめ
IDAREカードはチャージ残高に対するボーナス付与が魅力であり、これを活用すればよりお得に支払いが行えますね。計画を立てた上で残高のチャージを行い、ご自身のタイミングで支払いに利用しましょう。
アプリとしてはまだ洗練されていない部分が目立つことは事実ですが、IDAREカードは現在に至るまで様々な機能強化が行われています。今ではお得さと使いやすさを併せ持つサービスとなっており、これからの展開にも期待して行きたいですね。
IDAREカードに興味がある方は、ぜひアプリをダウンロードしてみてくださいね。

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